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ギルト・グループ、売上計画の1.5倍で推移 モバイル版など利便性を重視

2009年 8月27日 11:06

会員制通販サイトを運営するギルト・グループは、サイト開設5カ月で会員数が20万人を突破。売り上げも当初計画の約1.5倍と好調に推移しているようだ。7月にはモバイル通販サイトを開設するなど、新規顧客の囲い込みとユーザビリティー向上に向けた取り組みを強化。来年末までに会員100万人、5年以内に売上高500億円を掲げるが、配送面のスピードアップや取り扱い商品の拡充などにより、「目標を前倒しで達成したい」(桑野克己社長)とする。

同社は、米国発の〝招待制ファミリーセール〟をサイト上で展開する企業。高級ブランドを直接買い付けることで、最大5070%引きで販売する目新しさが受け、顧客数を増やしている。アパレルを中心に期間限定販売することにより、不況の影響から在庫に苦しむ高級ブランドも面目が保てるという新しい仕組みを日本に持ち込んだ。

オープン当初は誰でも会員になれたため、想定以上に会員が増加。セール開始後すぐに品切れするケースが相次いだことから、一週間で本来の招待制に移行した。

今年7月には、モバイル通販サイトを立ち上げたほか、従来はクレジットカード払いだけだった決済手段に代引きサービスを追加。また、顧客が気に入ったブランドのセール開催日を逃さないよう、デスクトップにセール日時のアイコンを表示するカレンダー機能を加えるなど、ユーザビリティーを重視した取り組みを推進している。

現在、平日午後3時までの受注分は当日発送しているが、「会員の満足度を高めることが第一」(同)とし、午前中の受注分は当日着とするサービスなども検討していくという。

また、売り上げ拡大を狙うにあたり、「どこかのタイミングで商材の幅を広げる必要はある」(同)としており、アパレルや服飾品以外の商材についても、顧客ニーズに沿う形で取り扱いを検討することになりそうだ。

同社が取り扱う商品の選定基準は「高品質かつファッションをリードしていくブランド」(同)で、日本で知名度が低くても同社バイヤーが認めるブランドを販売。これまでに販売したブランド数は80にのぼる。

企業イメージなどを考慮し、セール時のブランド紹介ページにデザイナーの紹介をするほか、ブランドによっては商品を着たモデルのランウェイ動画などを見せるなど、ブランドごとの世界観を演出するよう心掛けているという。

しかし、8月下旬には〝会員制〟を売りにした競合サイトが開設することもあり、顧客に支持され続けるにはブラッシュアップは不可欠。今後、商材の拡大も予想される中、バイヤーの充実も含め、日本の消費者にマッチした商品展開を加速できるか、MD面に注目が集まる。

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