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当時を知る化粧品受託業者によると、「経営破たんに関連して盟友関係にあったジュポンインターナショナルとも一時的に関係が悪化した。新たな供給元が中々見つからず、うちにも3度来たが付き合いたくないと全て断った」という。結局、関東のある受託業者に落ち着いたがこの会社、「長続きしなかった」(前出の関係者)というのだ。
理由はあまりに厳しい取引条件にあるという。先の関係者は続ける。
「アスカでは月1回、取引業者を集め連絡会議を開く。その際に示されるのが委託商品の販売量の推移。業者はその販売量から次回生産量を推測して生産する。だが実際、発注書が切られるのは納期の直前ということもある。取引関係にある事業者は"買い取ってもらえた試しはなく、泣き寝入りするしかない"と漏らしていた」というのだ。
在庫処分を理由に買い叩かれることもあり、現在取引関係にある別の業者も「金回りは良く支払いは遅滞しないが、値引き交渉で揉めたという話はよく聞く」と漏らす。
実際、アスカはその急成長の影で多くのトラブルを抱えてきてもいる。2000年には前身の「アスカ」が商標権侵害訴訟で敗訴。09年5月には百貨店に勤務する店舗スタッフが店舗閉鎖に伴う解雇を不当とし、大阪地裁に提訴している。
また、業界関係者からは「都内の企業と訴訟が発生し、敗訴で2億円前後の支払いが発生した」「国内外の仕入れ先3社と商品の加工費等の支払いに関して係争中。契約金額の値引き要請が問題となっているよう」といった噂や話も聞かれる。
昨年のJAS違反事件以降、アスカでは表示責任者の配置など社内規定を設け、外部の法律コンサルタントとも契約。「以前とは全く違う様相を呈している。今後、何か別の要素がない限り見逃すことはない」(お客様相談室・片山氏)としている。
だが、これまで多くのトラブルを抱え対外信用の面でマイナス要因を抱えるだけでなく、過去には薬事法違反の疑いで指導を受け、商品実用新案法違反で南部社長が書類送検されるなど、コンプライアンスの面でも弱さをみせてきた。企業体質の転換を図るのは並大抵ではないだろう。
カタログでは「アスカは逃げも隠れも致しません。代表の私が顔をさらけ出すことで、責任の所在を明らかにしてまいります」と語る南部社長。本紙では南部社長に取材を申し込んだが自ら応じ、数々の疑問に答えることはなかった。
(おわり)