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ハウスのダイエット補助食品、全国展開で巻き返し

2010年 5月27日 11:41

 ハウス食品は、5月12日から全国販売を始めた通販専用のダイエット補助食品「ニュートリシステム J―ダイエット」について戦略を大幅に見直している。当初は、得意とするテレビスポットCMをメーンに活用し、ネット限定の展開を構想していたが、昨年10月から首都圏で行ったテスト展開で課題が浮上。前期売上高も当初目標の3億円を下回る約7000万円にとどまっていた。このため、CMキャラクターの変更や受注窓口の拡大など展開手法を刷新。今期中に10億円の売り上げ規模にしたい考えだ。

 「J―ダイエット」は、レトルトのカレーやパスタ等の通常食タイプのダイエット補助食品で、1日3食のうち、2食をミールメニューとライトメニューで代替するもの。顧客フォローなどの部分で米国のニュートリシステム社とライセンス契約を結び展開している。

 全国展開に当たり見直したのは、まずトライアル商品の価格。顧客が商品を認知していても購入しない理由として価格を挙げる声が多かったことを受けたもので、従来二週間コースだけだった初回限定のお試し商品に1週間コースを追加。割引率も30%から50%(2週間コースで税込9800円、1週間コースで同4900円)に引き上げ、トライアル購入の促進を図っている。

 また、広告展開の手法についても見直した。昨年10月からのテスト展開では、女優の黒木瞳さんと久保純子さんを起用したスポットCMから、ネットに誘導する戦略をとっていたが、商品特徴が伝えられず、「ダイエットのCMらしくなかった」(同社)という課題が浮上していた。

 このため、全国展開にあわせて放映しているCMでは、元テニスプレイヤーの杉山愛さんを起用。杉山さんがCMの中でダイエット宣言を行い、第二弾以降のCMでその後の経過を放映する形で連続性を持たせるほか、杉山さんのダイエット経過情報を自社サイトで提供するなど、ネットとの連携も強化した。

 また、使用する媒体も広げ、6月頃をメドにBSやCSでの中尺インフォマーシャルの投入や、新聞広告および折込チラシの展開を行う予定。これに伴い、受注窓口もネット以外に電話やFAX、ハガキにも対応できるようにした。

 一方、顧客のフォロー体制についても強化している。特に、アウトバウンドについては、これまで顧客の目的に応じた対応やスケジュールなどの「ルールが明確ではなかった」(同)ことから、ルールを作り対応を徹底。同社でもアウトバウンドは商品の継続利用を図る上で重要なツールと位置付けており、顧客との会話の中から課題を広い上げ、次の施策に活用するといったスキームの確立を目指す。

 ハウス食品では、「J―ダイエット」を今後の成長のドライバーと位置付け。ダイエット補助食品は通販の中でも難しい商材だが、テスト展開での反省を踏まえ、事業の拡大を進める構えだ。

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