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消費者庁と農水省は10月5日、「加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会」の9回会合を開催した。すべての加工食品の原料原産地表示を義務付け、最も使用割合が多い原材料について国別に表示する。インストア加工の食品や試供品、容器包装に入れないバラ売りについては、表示を必要としない方針を示した。また、容器包装の表示面積が小さい場合には省略を認める。
対象となる原材料について、複数の産地をブレンドして使用する場合や、頻繁に切り替える場合に容器包装の変更が生じるため、メーカーのコスト増加を指摘する声が出ていた。
このため例外を認め、複数の産地から調達する場合に、使用する可能性のある産地を表示できるようにする。調達の可能性がある産地について、2か国を又はでつなぎ、3か国以上の場合は「その他」と表示できる。過去の取引実績や今後の調達計画をもとにしたことを説明する注意書きを行うことが求められるとした。また、3か国以上の産地表示について、「輸入」「国産」などと記載することも認める方針を示した。
検討会では例外表示を巡って、懸念の声が相次ぎ、合意には至らなかった。「可能表示は使用されていない国を表示することになるし、『輸入』と記載できる大括り表示は消費者のニーズを満たせない」、「容器包装と中身が異なってしまう懸念がある」と反対の意見があった。これに対し、農水省は「消費者からの問い合わせに対し、企業は可能性のある産地を説明して消費者に納得してもらっていると聞いている」と反論した。
また、「可能性表示であっても正しいかチェックが必要で、表示に伴うコスト増が商品価格に転嫁する恐れがある。あいまいな表示を求めるのかを消費者に問うべき」などとする意見があった。
また、可能性表示を任意で表示する場合に優良誤認にあたるとする消費者庁見解があり、ルールの混乱を招くとする発言があった。消費者庁は、義務化によって違法性は認められないことを説明し、注意書きを要件とすることで合理的根拠を示すことになると解説した。
次回は中間とりまとめに向けた検討を行う予定。今秋の中間とりまとめをめざし、共通認識の形成を図る。なお、食品のネット販売を巡っては、容器包装の情報提供のあり方についての議論を進めており、表示の義務化が示された今回の検討会の影響もありそうだ。