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今回の訪日中国人観光客向けの土産物ネット販売は、Cトリップの会員顧客(約1億5000万人)を対象にしたもので、同社が1月15日に自社の旅行予約サイト上に開設した仮想モール型通販サイト「全球購」を通じて展開。旅行サイトで航空チケットやホテルを予約した会員顧客を通販サイトに誘導し、注文後に日本での宿泊ホテルの一覧を表示し商品受け取るホテルを選べるようにする。商品の受け取りが可能なホテルは札幌、東京、大阪、沖縄の約600カ所で、旅行準備期間などを勘案し、商品受け渡しのリードタイムは1週間程度となるもよう。また、代金の支払いついては、クレジットカードやデビッドカードなど、中国で一般的に利用されている決済手段をカバーしているという。
取扱商品については、日本の観光土産を中心とした約1000アイテムでスタートした後、化粧品や日用品など中国旅行者に人気のある商品の取り扱いを進める意向で、年内に2000アイテム、3年後に5000アイテムにまで拡大。売上高は、初年度30億円、3年後に300億円とする計画だ。
「全球購」の展開に当たっては、3000社超の取引先を持つTSが出店事業者への商品供給、JPが「ゆうパック」などを使い旅行客が宿泊するホテルへの商品配達を担当。また、中国のモバイルECプラットフォームで日本商品の紹介・販売を行っているウィ・ジャパンは自ら「全球購」に出店するとともに、JPと連携し日本のメーカーや卸・小売事業者に対して「全球購」の出店をサポートする。
訪日中国人観光客は年々増加しており、2014年1~11月の累計で222万人と、前年の131万人(通年)を大幅に上回っている。
特に、中国人観光客の間では、日本ブランド商品の人気が高く家族や友人、知人などに土産物として買って帰る傾向も強いが、「購入場所の情報を持っていない」(ウィ・ジャパンの李剛社長)ことも少なくない。「全球購」は、この課題を解消するスキームとして展開するもので、中国消費者向けの越境ネット販売でしばしば問題となる通関の手間を軽減する狙いもある。
JP側では、これまで郵便局の窓口で推奨しながら注文を取る独自の通販展開を行ってきたが、「全球購」を「新しい販売チャネル」(JPの中島直樹常務執行役員)と位置づけ、取り組みを進める考えだ。