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通販各社のキャリア採用の状況 OLMは70人の大量採用、"即戦力"求めて各社積極化

2010年 3月11日 13:52

通販実施企業各社がキャリア、いわゆる経験者の採用を積極化している。例えば、オークローンマーケティング(OLM)では今年度のキャリア採用数は70人弱、新日本製薬でも30人を採用。ジャパネットたかたでは4月後半から、大々的なキャリア採用の募集を始めるようだ。前号(1260号1面参照)では各社の今年春の新卒採用状況についてまとめたが、やはり、不況下では長期間をかけて育成せねばならない新卒採用よりも、即戦力化が期待できるキャリア採用を重視している企業も多いようだ。各社の今年のキャリア採用の傾向について見ていく。
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 主な通販企業の今年度のキャリア採用の状況は下の別表通り。中でも目立つのは前述したOLMの70人弱という大量雇用数だ。同社では来年度もほぼ同数のキャリア採用者数を予定しており、中途採用を軸に社員数を拡充させていく考えだ。

 不況で優秀な新卒者が採用しやすい状況であることは間違いない。OLMでも今年度の新卒採用は10人。しかも「エントリー数が増加して28倍の競争率の中から選んだ」"精鋭"だ。スクロールでも「予想以上の応募者があり、厳選採用できた」。「例年よりも多くの母集団の中から選抜できた」(ジャパネットたかた)、「新卒採用は5年ぶりで学生への知名度は低かったが、会社説明会の出席率、その後の選考の参加率が非常に高かった」(オットージャパン)としており、今年の新卒採用は企業側有利の採用戦線だった。

 とは言え、「買い手市場と言われるが、優秀な学生を確保するのは容易ではない」(セシール)や「『買い手市場』だったと断言したいところだが、一部の優秀な学生層を多数の企業で取り合っている状況だった」(ゴルフダイジェスト・オンライン)、「優秀な学生は複数の内定をもらうので、最終的に当社に就業するとは限らない」(山田養蜂場)、「欲しい人材は(景気の影響を)あまり受けないため(「買い手市場とは言えない」(ケンコーコム)など、「本当に欲しい人材」を首尾よく採用するのは容易ではないことが伺える。

 それに加えて、やはり、不況下では悠長に社員教育を施す余裕がない企業も多いと推察され、一部の企業では即戦力化が期待できる(キャリア採用実施の理由は上表参照)キャリア採用を強化させているようだ。不況でも業績を伸ばすジャパネットたかたでは今年度採用した新卒51人(大学・大学院卒が44人、高校卒が7人)に加えて、4月後半からは「大々的なキャリア採用の募集・選考を行なう」(同社)としている。

 業績の回復をはかるには何と言っても「人材ありき」。一般企業が人材採用を抑える中、来るべき景気回復に備え、新卒、キャリアに関わらず「優秀な人材」を確保する通販企業が多いようだ。


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