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靴製造販売のリーガル、ネット会員1万人に 返品対応も

2010年 2月25日 19:02

5k.jpg 靴の製造・販売などを手がけるリーガルコーポレーションは、自社通販サイト「シューズ・ストリート」を活用して、実店舗だけでは実現できなかった、新たな販路開拓やブランド宣伝に取り組んでいる。

 同社の通販事業はネット販売のみで、2002年3月に同サイトを開設。紳士靴の「リーガル」に加え、兄弟ブランドの「ケンフォード」や婦人ブランド「ナチュラライザー」など600デザイン、カラーバリエーションも合わせると合計1200アイテム以上の商品を取り扱っている。昨年には、初めてのネット販売限定商品、「レニカ サドルシューズ(2色の組み合わせ靴)」も発売した。

 同社では「ネット販売開始でサイト整備が進み、消費者の目に触れる機会が増えた。婦人靴など、リーガル以外のブランド認知にもつながる」(小売事業統括部eビジネス課)と説明。販売だけではなく、ブランドの宣伝効果も強く狙っている。

 そのため、ネット販売の顧客対応は、実店舗並みに行うよう細心の注意を払っている。その一つが返品対応だ。

 靴は通販では取り扱いが難しい商材の一つでもある。最大のネックが、サイズの細かさ。靴は衣服とは違い、サイズの種類が0.5センチ刻みと非常に細かく、実際に履いてみないと最適のサイズが分からないことが多い。

 仮にサイズが大きすぎた場合に、店頭ではその場で中敷を入れたりすることができるが、対面できない通販ではどの部分が緩いのか細かく把握できず、対応が非常に難しい。

 そこで同社では、常に「交換は当然」というスタンスで顧客対応に当たっている。開封した商品であっても、購入直後であれば最大十回まで返品を受け付け、場合によっては実店舗でのサイズ調整のサービスも行う。

 「何回も交換されると利益的には厳しい。しかし、靴の通販である以上、顧客の要望を当然と考えなくてはいけない」(同)と、返品対応の重要性を語る。

 また、サイトを運営する上で、高級ブランドとしてのイメージを崩さないページデザインも心がけている。

 特集ページは極力作らず、バナーに関しても商品写真ではなく季節の花の写真を使うなど、商品販売を主眼にしたような派手なサイト作りは行っていない。

 新入学・新社会人向け紳士靴や婦人向けのドレス系パンプスを中心に、売り上げが伸びる三月についても、大々的なキャンペーンページは設けていない。「『ショッピングサイトらしくない』と言われると、こちらの意図が成功していると感じる」(同)とする。

 その結果、ブランドイメージを守りながら、ネット販売は開設以来、順調に成長。2010年3月期の売上高は、約1億3千万円で、来期の売上高は2億円を予定している。

 同サイトの会員数も2月12日現在で、約1万人を突破。今後の通販事業拡大については、あくまでも慎重な姿勢で、卸販売事業、小売販売事業との兼ね合いを見ながら、バランスのとれた戦略展開を図っていく方針だ。
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