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【楽天市場「二重価格」の真相④】大感謝祭、アクセス減か

2013年12月 5日 14:51

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11月30日から12月4日まで開催された「楽天大感謝祭」。今回もスーパーセールや優勝セールなどと同じく、セールのトップページには広告商品を用意した。ただ、今回は二重価格そのものを使っていないため、割引率をアピールするのではく「大感謝祭 感謝価格」という宣伝文句を用いている。

 出店店舗によると、今回の審査では「メーカー小売希望価格より値引きした商品は登録できず、通常販売している価格よりも安くした商品しか登録できなかった」という。この通常価格に対する審査も厳しくなっており、はねられる店舗が続出したようだ。騒動後も「不当な二重価格」を続けていた有名店舗でも「セールの審査に通らなかったため、二重価格表記そのものをとりやめた」(あるネット販売のコンサルタント)という。

 このネット販売のコンサルタントによれば「楽天市場へのアクセス数で見ると、『楽天日本一セール』に比べて40~50%は減っているようだ。原因はセールの安さが伝わっていないからではないか」と話す。確かに、今回のセールではテレビCMのほか、電車の中吊り広告など積極的に宣伝を展開したものの、これまでに比べると内容はおとなしいものだった。CMも「一人でも多くのお客様に、お買い物の楽しさをお届けします」など、やや抽象的な宣伝に終始している。さらに、今回は楽天の方針転換が急だったこともあり、店舗側も準備が整わず、お買い得商品を準備しきれなかった可能性も高い。なお、本紙では楽天に初日の流通額やアクセス数の真偽について問い合わせたものの、「御社からの取材には応じない」(楽天市場事業PR推進グループ)との返答があった。

 楽天では「不当な二重価格」を防止するためのシステムを整えていく方針だが、今後のスーパーセール開催時にこれまでのように「半額以下商品」を目玉にすることはできるのか。仮に「実際に販売している価格の半額」が条件になるとすれば、参加するためのハードルが上がったのは間違いない。ある有力店舗は「二重価格への消費者の反応が過敏になっており、実際に売っていた価格の半額以下の表示をした場合でも誤解される可能性がある」と話す。

 今後、楽天では「当店通常価格」の妥当性をシステム的にチェックする機能を導入する予定だが、「二重価格」をやめる店舗が増えることで楽天市場流通額へ影響はあるのか。先のコンサルタントは「判断基準が減ると消費者が買いにくくなり、流通額に影響を与える可能性はある。また、仮に福袋や詰め合わせなどの『○円相当』という表現が使えなくなるとしたら、店側はかなり痛いのではいか」と話す。

 表示問題で揺れる楽天市場だが、「不当な二重価格」問題は同モールに限ったものでない。最も重要なのは事業者側の意識改革だ。規制の厳しくなった楽天市場では「不当な二重価格」を撤廃しても、自社サイトではこうした表記を続けているというのでは消費者の信頼は得られない。表記による「お得感」アピールに頼っていた店舗は、それ以外の部分で差別化するための施策が求められそうだ。
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