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アマゾンの活用術・ノーゼンローズドットコム、スマホケースがヒット、「FBA」で運営負担を軽減

2013年 4月15日 09:36

5-1.jpg輸入販売を手がけているノーゼンローズドットコム(本社・茨城県北茨城市、皆川健治代表)は、「Amazon.co.jp(アマゾン)」のマーケットプレイスに出品している店舗などの多店舗をすべて一人で運営し、スマートフォン向けの耐衝撃吸収ケースを販売して売り上げを伸ばしている。

取り扱っているのは海外製のケースで価格は数千円程度が中心。現在は200点ほどの品揃えとなっている。本格展開した2011年当時は相次いでスマホの新機種が市場に投入されていた時期で、ブーム商品の付属品は必ず売れるという確信があったという。

同社は「過去に海外のブランド商品を並行輸入して『ヤフーオークション』で販売していたが、手間の多さや利幅の少なさから頓挫した」(皆川代表)経験があった。その反省を生かし同商品の販路についてはアマゾンを選択。特にアマゾンを選んだ理由としては「フルフィルメント by AMAZON(FBA)」の存在が大きかったという。

FBAは出品者の商品在庫保管や注文処理、出荷、カスタマーサービスをアマゾンが代行して行うもので、「通常の国内配送料が無料で、すぐ届く」というアマゾンの直販と同一のサービスを購入者に提供することができる。「FBAはアマゾンに配送などを委託する形なので規模の小さい当社にとってメリットは非常に大きかった」(皆川代表)とする。

そのため、同社では出店当初から同サービスを活用。商品の売れ方がビジネスレポートでも確認できるので、テストマーケティングを重ねながら回転率の良い商品を選定して資本を投下することに専念できたという。「アマゾンの特徴として一度売れるサイクルに入ると、レビューがついて評価・順位が上昇し回転率が爆発的に上がる。他のモールと違い露出を増やすための広告もいらないのでコスト面で助かる」(同)と振り返る。

多店舗展開も開始

アマゾンでの販売が軌道に乗った同社は、2012年から「楽天市場」や「DeNAショッピング」など他モールへの出店も開始した。しかし、在庫管理や出荷配送の体制をまた一から考えていくことが大きな課題となっていた。「アマゾン経由の受注分はFBAで、それ以外は別倉庫か自前で、という店舗も多いが、配送料も全国一律で他より割安なので、当社は全部アマゾンに任せた」(同)と説明する。導入したのは、アマゾン以外の販売経路で受注した商品の梱包・出荷も代行する「FBAマルチチャネルサービス」で、多店舗の物流機能を一元管理して商品在庫の分散を防ぎ、出荷作業から解放された。

さらに、導入当時は同サービスに対応した在庫管理システムはほとんど存在しなかったが、ネット販売支援ベンチャーのハングリード社に掛け合って多店舗型在庫管理システムを開発してもらい実装することに成功。これにより、24時間の在庫管理や各店舗の販売状況を見ながら販売が好調な店舗に優先的に在庫を振り分ける作業などをすべて自動化できるようになったという。「一人で複数店舗を動かしているが実際の作業は数分で終わるので、商品探し・仕入れに時間を使えるようになった」(同)とした。

2012年は売り上げが倍増したという同社は、今後はスマホケース以外の商材にも目を向けながら、売り上げ拡大を目指していく考え。

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