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セシールに衣料品事業を売却することになったイマージュHD。イマージュの2012年2月期の売上高は前期比12・6%減の74億9200万円、当期純損失は11億3100万円となっていた。ただ、この数字に関しては「赤字にはなっているが、先行投資として(親会社のファンドに)容認されたものであり、計画そのものは昨秋までは達成できていた」(沼田社長)という。
とはいえ、顧客数は減っている状況だった。そのため、昨秋にはカタログの発行部数を増やすなど、販促費を投下し、新規顧客の獲得に向けてアクセルを踏んだ。しかし、9月の厳しい残暑が売り上げに大きく影響する。昨年の秋商戦は、残暑の影響でアパレルを中心に苦戦を強いられたカタログ通販企業が多かったが、イマージュでも売り上げ・利益ともに計画を大きく下回ったという。沼田社長は「仮に、残暑を利用して売り上げを伸ばすことができていたとしたら、全く違う絵が描けていたのではないか」と話す。
2011年に上場を廃止したイマージュHDだが、現在はみずほフィナンシャルグループ運営の投資ファンドが出資するTKMホールディングスが親会社となっており、ファンドの元で再建を図る形となっていた。秋商戦の不振は、ファンドが衣料品事業に見切りをつける大きな要因となったわけだ。
「今年の春商戦は順調に来ているだけに、悔いの残る部分はある」と話す沼田社長。とはいえ、計画未達だけが売却の決め手となったわけではない。沼田社長も「インフラの経費削減への着手が遅れた面はある」と認める。シムリー時代の最盛期には売上高500億円を誇ったイマージュHD。ただ、近年は大きく売り上げを落としており、「現在の売上高には見合わない設備、つまり物流センターやシステムなどが過剰な設備となり、無駄なコストを生んでいた」(同)。
セシールでは、イマージュを譲り受けた後の組織やオフィスなどの拠点体制などの詳細については、まだ決まっておらず、これから検討する段階としている。近年、セシールでは若年層顧客の開拓と育成に取り組んでいるが、全体の構成比としてみた場合、20~30代の顧客の割合は、まだ小さいもようで、F1層を得意とするイマージュブランドへの期待は大きいようだ。
今後はセシール傘下(7月からはディノス・セシール)で再生を目指すことになるイマージュの衣料品事業だが、沼田社長は「F1層のアクティブな顧客リストは豊富に持っているし、現在の売上高以上のポテンシャルは十分に秘めていると思う。経営母体が代わって『物売り』だけに徹することができるようになれば、必ずかつての輝きを取り戻せるはずだ」と語る。
今後は化粧品通販が主な事業となるイマージュグループ。上場廃止時の目標でもあった「再上場」に向けて、どのように事業を進めていくのか。