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ディノス、米の産地直送販売開始、"雪室貯蔵庫"から精米し配送

2013年 3月14日 10:41

ディノスが今秋から、新潟産の最上級米の産地直送販売を始める。これまでは都内の精米施設や同社の物流拠点を経由して出荷・発送していたが、今回からは、今春から本稼動する雪を利用して米を低温貯蔵する新潟の米穀専用の最新施設で米を保管・精米し、同施設から直接、顧客に配送する形とする。最新の貯蔵施設による最適な米の保管状況や精米後になるべく時間を開けずに顧客に届けるなどの「鮮度」を切り口に"おいしさ"を訴求し、米の販売増につなげていきたい考え。

ディノス米.JPGディノスが今年10月から産地直送で販売を開始するのは最上ランクの米「魚沼産こしひかり(玄米・精米・特別栽培米)」。「魚沼産こしひかり」はすでに17年間、販売を続けているもので、農産物規格規定に基づく検査で、最上位の「1等米」の中でも最上級の「SS」「SA」ランク(※JA北魚沼の独自基準)の品質のもののみを販売しているディノスの人気商品となっている。なお、顧客には年間を通じて、定期的に届く「定期便」の方式で販売している。

 従来までは産地から都内の精米施設で精米後、東京・町田のディノスの配送拠点「ディノスロジスティクスセンター東京」を経由して顧客へ配送していたが、「新米(平成25年産米)」を販売する今年10月からは、JA北魚沼が新設した精米施設を備えた雪を利用して米を管理・貯蔵する利雪型米穀低温貯蔵施設(通称・「雪室倉庫」)で、米を貯蔵・精米後、そこから発送する産地直送型に切り替える。

8-2.jpg 「雪室倉庫」ではJA北魚沼が年間に集荷する玄米の半分にあたる約6万俵を保管する予定だが、中でも最上級ランクの米は鮮度を損なわないよう「雪温貯蔵庫」と呼ばれる年間に渡って温度5度、湿度70%が保たれるエリアで貯蔵される。この米のほとんどをディノスが販売する予定で、発送のタイミングのたびに同施設内で精米後、すぐに顧客にもとに届けるという。「(産地直送が始まる)10月からは精米後、素早くよりよい鮮度で届けられるようになる」(ウエルネル本部食品部・糸山豪チーフ)という。

 なお、この「雪室倉庫」は毎年3月に1500トンの雪を入れ、その冷気を活用して米を保管できるため、通常の施設に比べて大幅に電力消費量を減らすことができ、二酸化炭素の排出量も大幅に削減できるという。そうした観点からCSRの取り組みを強化しているディノスとしても同施設の利用を決めた一因となったようだ。同施設の本稼動にあたって3月6日に実施した「雪入れ式」にはディノスの石川社長も出席。「従来にも増して、差別化された美味しい魚沼産こしひかりの販売が可能となる」と挨拶した。

8-3.jpg ディノスでは「雪室倉庫」での適切な米の貯蔵・保管や産地からの精米後にすぐ発送することなど「新鮮さ」をアピールするため、10月の「魚沼産こしひかり」の発売に合わせて、「雪室貯蔵米」とロゴを入れるなど商品パッケージを刷新するほか、同社の通販番組や通販カタログでも「雪室貯蔵」や「産地直送」を訴求。また、新規顧客開拓策として各種プロモーションを行う計画で「(昨年と比べて「魚沼産こしひかり」の)売り上げは20%増が目標」(ウエルネル本部食品部・結城啓子ゼネラルマネージャー)としている。

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