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伊勢丹 百貨店版ネットスーパー〝ネット・デパ地下〟開始、受注当日に個人宅へ配送

2010年 1月28日 19:33

051.jpg 伊勢丹はこのほど、百貨店版のネットスーパー事業を直営の2店舗で開始した。雨天時や営業時間内に来店できない顧客、高齢者などの利便性を向上させるのが目的。ネットで受注した商品をその日のうちに届ける取り組みは百貨店では初めて。まずは食材や菓子、酒類など約3,000品目でスタートする。両店舗とも、当面は1週間で50件以上の受注を目指すとともに、問題点などを洗い出し、事業環境が整えば対応する店舗を広げたい意向だ。

 同社が始めたのは「伊勢丹ネットデパ地下」。1月19日に相模原店(神奈川)、同月20日に府中店(東京)でスタートした。同社の通販サイト「I ONLINE(アイオンライン)」とは別サイトで運営する。

 今回、新サービスを開始した両店舗は、昨年4月に営業時間を従来の午後7時半から7時までに30分短縮したこともあり、営業時間内に来店できなくなった顧客や、高齢者、子育て中の母親などを囲い込むことで、CS向上と売り上げ拡大につながると判断した。

 同サービスを利用できるのは店舗の近隣に住む消費者で、相模原店が町田市全域と相模原市東部、府中店は府中市、調布市、国立市の全域がそれぞれ対象。近隣地域には、折込チラシで新サービスの開始を告知したという。

 注文は前日の午後4時半から当日午後3時10分までのオーダーを当日中に顧客の自宅に届ける。

 相模原店の場合、第1便が前日午後4時半―当日午前9時半までの受注分を午後2時―同4時に、第2便は11時10分までのオーダーを午後4時―同7時、第3便は午後1時10分までの受注分を同6時―同9時、第4便が3時10分までを同7時―9時までに届ける。

 両店舗とも、ウェブ担当者2人が受注業務を担い、食品売り場の担当者にピックアップの指示を出して店頭商品を確保するため、ネット販売用の在庫は持たない。

 スタート時の取り扱いは「デパ地下」で扱う生鮮食品や乾物、飲料、惣菜、菓子類など幅広く、約3,000品目。ただし、実店舗では10万点以上の商品を扱っており、順次、対象商品を拡充する計画。
 
 仕組みはネットスーパーと同じだが、「ギフト用の菓子やケーキ、老舗店の惣菜といった商品面と、ラッピングなどのサービス面で違いを出したい」(同社)とする。

 サービスの利用には送料と買い物代行手数料が別途必要で、送料は6,300円以上で無料。配送はヤマト運輸を利用し、常温、冷蔵・冷凍で温度管理して、商品を届ける。

 ネットスーパーはイオンやイトーヨーカ堂といったGMSで事業化が加速しており、百貨店も同様のビジネスに乗り出したことで、顧客の囲い込み競争が熱を帯びそうだ。


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