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千趣会では、中国などアジア各国の8海外拠点で商品を生産。うち6拠点・7倉庫体制で商品の保税保管を行っている。
現状、各生産拠点周辺に設置した倉庫で保税保管を行い、必要に応じて日本に商品を出荷する体制としているが、海外の保税倉庫から国内物流拠点に商品を輸送するまでのリードタイムが3日から24日程度かかるほか、複数の倉庫で商品を管理するためコストがかさむなどの課題があった。
これに対し今回の取り組みは、韓国・釜山港内のフリートレードゾーンに新設する倉庫に各海外生産拠点で作った商品を一旦運び、同倉庫で保税保管を行うというもの。
釜山の新倉庫は今年3月から稼動する予定だが、1~2日のリードタイムで迅速に日本の出荷倉庫に商品を運べる韓国・釜山の保税倉庫から必要に応じて商品を供給する体制を整えることで、日本国内での商品在庫を圧縮。さらに従来、複数の保税倉庫で掛かっていた管理コストや運賃の抑制を図る意向で、2億円程度のコスト削減効果を見込む。
千趣会は一時期、国内の商品在庫を圧縮していたが、欠品による機会損失が問題となったことを受け、11年から在庫を拡大。この施策は、機会損失の抑制の面で一定の成果はあったと見られるが、一方で在庫の増加に伴う原価率の上昇などが利益を圧迫する要因になっていた。
現在、取り組んでいる3カ年中期経営計画では、これまでに売り上げの拡大などで成果を出しているが、最終事業年度に当たる今期は、この海外保税倉庫の集約をベースに収益性の向上に力を入れていく。