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SBIベリトランス 手数料を1件5円に、決済代行サービス、広告枠導入が条件

2010年 1月14日 20:24

収納代行サービスのSBIベリトランス(本社・東京都港区、沖田貴史社長)は、決済代行サービスの手数料を値下げする。1月から新たな決済システムを投入するのに伴い、料金も1件あたりの取引手数料をこれまでの15円から5円とし、月額の基本料金も実質的に安くする。大手の通販事業者を取り込むことで、トランザクション数(処理件数)は3倍増を目標とするほか、決済システムを中小の決済代行事業者に提供し、事業を拡大する構えだ。

 新しい決済システムの名称は「ベリトランス3G」。これまでのシステムでは、クレジットカード決済やコンビニ決済など、利用する決済手段ごとにソフトが必要だったが、これを統一。月額2万円のソフト導入で、カード決済、コンビニ決済、電子マネー決済、銀行決済のほか、銀聯決済などの海外向け決済サービスも利用できる。
 
 さらに、決済画面に広告を表示する「決済連動型広告」の導入を条件として、1件あたりの取引手数料を5円とした。これは、例えばカード決済の場合、カードのブランドや発行会社、プラチナ・ゴールドなどの種別を決済時に識別し、カード会社が所持者にあった広告を配信するというもの。導入に先立ち行われた実験では、平均4%のクリックレートを記録するなど、「通常のネット広告よりも高い効果が期待できる」(沖田貴史社長)。
 
 通販事業者は、決済画面の広告枠を無償で提供。広告を出稿するカード会社は1件あたり5円をベリトランスに支払う。カード決済時以外でも、コンビニ決済や銀行決済の際にも広告を表示する形にする。その他、カード番号を保持せずに決済できる仕組みを強化するなど、セキュリティー面でも配慮した。
 
 新システムは、中小の決済事業者にOEMとして提供する。規模を拡大することで、提携による新規事業や、資本提携なども視野に入れる。
 
 値下げにより、決済システムを自社で運用している大手の通販事業者を取り込む狙いがある。また、1件あたり手数料の業界標準は10円のため、他社の追随値下げや業界再編につながる可能性もありそうだ。


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