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報告書では、昨年12月に開催したヒアリングの内容などに触れ、この中で、「ただし、ネット販売業者については、日本オンラインドラッグ協会がヒアリング開催直前で辞退されたのは残念であった」と記載している。
文面にすると淡々としたようにも見えるが、実は有識者会議の事務局を担う日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)では、JODAのヒアリング辞退をかなり問題視しているらしい。
実際、公開で開催された有識者会議のヒアリング、今年2月に開催された「一般用医薬品の通信販売解禁を推進する議員連盟」の会合、4月の報告書の発表会見など公の場で、ことあるごとに、この問題に言及。「敵前逃亡のようなもの」「委員も憤慨している」と付け加えるケースもあった。
これには、有識者会議からJODAを排除したのではないことを強調する狙いもあるだろうが、議論の参加に手を差し伸べたにもかかわらず、足蹴にされたという印象も持っているようだ。
一方のJODAは声明で、報告書にある開催直前にヒアリングを辞退したかのような記載は事実に反すると主張。会合の議事を原則非公開としている点や当事者である事業者を含まない委員構成、特定の事業者団体に偏った事務局の体制などの是正を前提に、ヒアリングへの出席を検討していたが、受け入れられなかったため、出席を見合わせたとしている。
一見、些細な理由にも思えるが、ネット販売事業者や薬業団体を委員とした厚労省の過去の検討会で、多勢に無勢の議論を強いられた経緯などもあり、有識者会議の運営体制について神経質になっていたようだ。
ヒアリング辞退を巡る経緯は、"言った言わない"の世界に近いとも言えるが、気になるのは、JACDS側がことあるごとにこの問題に言及していること。
JODA自らが意見を述べる機会を蹴ったという印象が広がれば、今後、進むであろう医薬品通販・ネット販売のルール作りの議論への関与にも影響が出てくることも懸念される。