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客単価向上で急成長――大手仮想モール2社の福袋商戦

2012年 1月26日 12:21

8men.JPG 楽天は仮想モール「楽天市場」で、1月1日の0時から同月17日までの期間限定で新春特集ページ「福袋&初売りセール2012」を展開した。

 同ページでの福袋特集の成長率は、前年同期比で48%増と大幅に伸長。福袋のネット購入の定着化に加え、今年は消費者がボーナスを支給される12月から福袋を予約販売する出店店舗が拡大したことで、年末の事前予約が増加。特にファッション系や趣味系などの「こだわりジャンル」が好調だったようで、楽天では「景気低迷や震災で暗い年だったので、『ご褒美』として趣味系やおしゃれ系などのこだわり福袋を購入したい思いが表れた」と分析している。

 ファッションジャンル以外の売れ筋は、家電やワイン、ジュエリー・アクセサリー、コスメ、スイーツなど。価格帯では、ファッションやスポーツジャンルは1万円程度、グルメ・雑貨系は5000円前後の福袋に人気が集まった。

 ただ、3万円ラインの高額な福袋も今年は人気だったほか、やや高めのラインも好調だったとし、「ご褒美購入」で例年より予算をかける傾向があったようだ。また、ユーザーの身長や年齢、好みなどをもとに店長がアレンジする「職人福袋」(税込・1万500円)といった変わり種も1カ月待ちとなるなど好評を博したという。

 モール側の販促は、世相を反映した「トレンド福袋」をプッシュする特集を実施。特に「防災グッズ福袋」や「東北応援福袋」など、震災を意識した福袋を紹介した。

 ヤフーも12月13日から1月10日までの期間、迎春特集の専用ページを設置して福袋の販促を実施した。

 同特集経由の福袋の取扱高は、前年同期比で30%増と好調に推移した。顧客一人あたりの購入単価は約7000円で、前年比で約20%増と大幅に伸長。楽天同様、客単価の増加が好調要因となったようだ。また、年々販売開始が早まっているとし、こうした点も成長要因のひとつとみられる。

 売れ筋ジャンルは、例年人気のメンズファッションのほか、スポーツ、コスメ、ダイエット、生活雑貨、日用品など。特に、ファッションの取扱高は前年比で約50%増、スポーツは約150%増と大幅な伸長をみせた。

 従来はファッションが中心だったが、その他のジャンルでも福袋を始めるなど多様化が進行しているのが最近の傾向。中でもゴルフ用品や化粧品、サプリの福袋の数が増えたという。

 また、購入層別の傾向をみると、40代男性客による取扱高が約70%増と急成長したのが特徴だ。さらに、男女ともに50代が約50%増となるなど、「比較的年代の高い購入者が増えた」(ヤフー)としている。
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