ヤマトグローバルロジ 海外通販サービスを拡充
ヤマトグループで海上・航空フォワーディング事業などを手掛けるヤマトグローバルロジスティクスジャパン(YGL)は、海外通販に対応したサービスの強化・拡充に乗り出した。2011年4月に海外通販の担当部門を新設し、日本の海外通販利用者向けの「国際宅急便」新サービスや代引きサービスのテストを実施。さらに海外での「宅急便」ネットワーク整備に合わせ、日本発の海外消費者向け通販に対応した新サービスも開発する構えだ。
YGLでは海外通販の利用に対応したサービスとして、受取人が個人(顧客)となる「国際宅急便」のほか、海外通販事業者の日本法人等が輸入者となり、顧客に商品を届ける「グローバルダイレクト」などを用意。国内の「宅急便」ネットワークをベースに海外から日本向け通販に強みを持ち、欧米を中心に海外通販事業者400社以上と取引をしている。
海外からの通販関連荷物の取り扱いも拡大傾向にある。特に今期は円高の関係で高伸し、前期比30%程度の増加見込みに対し10%程度上回るペースで推移。中心はアパレルで、購入金額1万円以下のものが多いという。
今回の海外通販向けサービスの強化は、4月に設置した小口貿易物流事業部が中心となり、事業としての可能性を検証しているもの。具体的な内容としては、まず、「国際宅急便」では、従来160サイズ(3辺合計160センチメートル以下、重量25キログラム以下)までだった取扱荷物の枠を広げ、3辺合計300センチメートル、重量50キログラムまでに対応した新サービスを開発。欧米の通販事業者向けにテスト展開をしている。
それまで160サイズ超の商品は、路線便の「ヤマト便」で国内顧客に届けていたが、新サービスでは、ヤマトホームコンビニエンス(YHC)が持つ2人体制の配送ネットワークを活用することで、家具・インテリアなど大型商品の海外通販利用ニーズに対応。開梱や据付などもサービスに組み込んだ。
また、決済の部分でも、グループ会社のヤマトフィナンシャルとともに海外通販向けの代引きサービスを開発し、10月からテスト展開を始めた。
海外通販利用経験者への調査で決済に不安を持つ声が多かったことを踏まえ開発したもので、代金回収および海外通販事業者への支払を日本円で行うことで為替リスクを解消するなどの工夫を盛り込んだ。導入メリットとしてYGLが注目しているのは、クレジットカードを持たない十代顧客でも、「着払いの代引きであれば、自分のお小遣いで代金を支払うこともできる」(書川美樹小口貿易物流事業部長)点。実際、ファストファッションを扱う米国の顧客企業では、同サービスの導入で売り上げが伸びたケースもあるという。
これまでは、海外通販を利用する日本の消費者向けのサービスが先行してきたが、台湾や上海、シンガポールなどで「宅急便」ネットワークの構築が進んでいることを踏まえ、日本から海外向け通販に対応したサービスの開発にも着手。日本の通販事業者は、「日本と同じ仕組みで海外に商品が発送できるようなものを求めているのではないか」(同)と分析しており、今後、「宅急便」の海外ネットワークを基盤に、国や地域ごとのニーズに応じたサービスを投入することで「新たなニーズの創造」(同)を図る考えだ。
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今回の海外通販向けサービスの強化は、4月に設置した小口貿易物流事業部が中心となり、事業としての可能性を検証しているもの。具体的な内容としては、まず、「国際宅急便」では、従来160サイズ(3辺合計160センチメートル以下、重量25キログラム以下)までだった取扱荷物の枠を広げ、3辺合計300センチメートル、重量50キログラムまでに対応した新サービスを開発。欧米の通販事業者向けにテスト展開をしている。
それまで160サイズ超の商品は、路線便の「ヤマト便」で国内顧客に届けていたが、新サービスでは、ヤマトホームコンビニエンス(YHC)が持つ2人体制の配送ネットワークを活用することで、家具・インテリアなど大型商品の海外通販利用ニーズに対応。開梱や据付などもサービスに組み込んだ。
また、決済の部分でも、グループ会社のヤマトフィナンシャルとともに海外通販向けの代引きサービスを開発し、10月からテスト展開を始めた。
海外通販利用経験者への調査で決済に不安を持つ声が多かったことを踏まえ開発したもので、代金回収および海外通販事業者への支払を日本円で行うことで為替リスクを解消するなどの工夫を盛り込んだ。導入メリットとしてYGLが注目しているのは、クレジットカードを持たない十代顧客でも、「着払いの代引きであれば、自分のお小遣いで代金を支払うこともできる」(書川美樹小口貿易物流事業部長)点。実際、ファストファッションを扱う米国の顧客企業では、同サービスの導入で売り上げが伸びたケースもあるという。
これまでは、海外通販を利用する日本の消費者向けのサービスが先行してきたが、台湾や上海、シンガポールなどで「宅急便」ネットワークの構築が進んでいることを踏まえ、日本から海外向け通販に対応したサービスの開発にも着手。日本の通販事業者は、「日本と同じ仕組みで海外に商品が発送できるようなものを求めているのではないか」(同)と分析しており、今後、「宅急便」の海外ネットワークを基盤に、国や地域ごとのニーズに応じたサービスを投入することで「新たなニーズの創造」(同)を図る考えだ。