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好調ネット販売企業の戦略・モーハウス

2011年12月15日 13:01

モーハウス.JPG 授乳服などの通販事業を手がけているモーハウスは、自社通販サイトを中心にオリジナル商品の拡販を進め、毎年順調に売り上げを伸ばしている。

 同社の自社通販サイトは2001年から本格展開。03年には楽天市場に出店している。商材の特殊性から開設当時はマーケットがほぼなかった状態で、「授乳服」という言葉も認知されていなかった。光畑社長自身が子育てで外出時の授乳の難しさを経験したこともあり、同商品を販売するようになったという。この数年間で徐々に他社も取り扱うようになり、市場が形成されつつある。

 同社の現在の取り扱いアイテム数は70~80点。メーン商材の授乳服に加え、ブラジャーなどのインナーやシャツなども販売している。平均購入単価は1万円前後で、通販サイトの方が実店舗と比較してやや低くなっている。顧客層は30代前後の女性が中心。年4回発行するカタログと通販サイトをあわせた年間販売枚数は約5万枚(インナー類も含む)で、毎年微増を続けている。

 同社は「基本的に物だけを売る会社ではないということ。授乳服を着てから先の生活を売るというイメージ」(光畑社長)と説明。そのため、通販サイトの中でも商品を羅列するだけでは終わらず、育児・出産に関連する情報やイベント案内なども多数掲載している。その他にもサイト内で商品を着用しているモデルには実際に育児中の母親とその子どもたちを起用するなど、リアルさにこだわっている。

 商品企画はすべて自社で行っており、会議ではサイトのモデルと同様に現役の授乳服利用者を交えながら実際に試着して形を決めている。参加するスタッフもほぼ全員が育児経験者であるため、実用性に細部までこだわることができる。現在は東京都の産業技術系の独立行政法人と連携し、ユニバーサルデザインの商品を開発。高齢者や乳がん患者の方なども使えるブラジャー「モーブラしゃんと」を発売し、新たな顧客層の開拓も図っている。

 同業界は今後、少子化の影響が懸念されているが、同社は「まだすべての母親が授乳服を利用しているというわけではないので、少子化よりもマーケットの伸びの方が大きくなると思う」(同)と展望を語った。
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