TSUHAN SHIMBUN ONLINE

インターネット・ビジネス・フロンティア株式会社
記事カテゴリ一覧

企業ページ活用がカギに――通販企業のSNS活用

2011年12月15日 12:58

5men.JPG グーグルがSNS「Google+(グーグルプラス)」で企業が情報を発信できる「Google+ページ」を開始してから約1カ月が経過した。ミクシィの「mixiページ」やフェイスブックの「フェイスブックページ」に続いてグーグルが参入したことで、"3大SNS"すべてが「企業ページ」を持ったことになる。まだ通販企業がSNS活用で成果を出している事例は少ないが、これを機に今後、一気に活用が進む可能性は高い。果たして来年以降のSNS活用はどうなるのか。それを占う意味で、「Google+」を中心に、各SNSにおける通販企業の活用の現状をみていく。

 まず、グーグルが開始した「Google+ページ」とはどのようなサービスなのかをみてみる。 

 サービス開始は11月8日。「Google+」のアカウントを持っていれば、「mixiページ」や「フェイスブックページ」同様、無料でページを作成できる仕組みで、これにより企業単位のほか、ブランドや商品名で公式ページを開設することも可能になった。

 「Google+ページ」でも他SNSの「ページ」同様、商品の新着情報やキャンペーン情報などを「ストリーム」と呼ばれる交流スペースに投稿できる。写真や動画を投稿・管理することも可能だ。ビデオチャット機能でファンと交流もでき、フェイスブックなどの「いいね」に該当する「+1」ボタンも用意されている。

 「Google+」が他のSNSの「ページ」と異なる点は、「サークル」と呼ばれるグループ分け機能の存在だ。あらかじめ「友だち」や「家族」「仕事」などとフォロー相手を分類しておくことで、サークルごとにセグメントして情報を発信できるもので、これにより、企業は「既存客」や「見込み客」などに別々の情報を発信できるようになっている。

 以上がグーグルの「Google+ページ」の概要だが、では、通販事業者におけるこうしたSNSの「企業ページ」の活用状況はどうなっているのだろうか。
 「Google+」は「Google+ページ」の開始から日が浅いこともあり参加企業は楽天やヤフー、ユニクロ、ネットプライスなど数社に留まっているのが現状。

 一方「フェイスブックページ」はこれらの企業に加え、ニッセンやイマージュ、アイム、カタログハウス、ドクターシーラボ、スタートトゥデイなどの有力通販企業が多く参加。アプリなどを活用して独特の施策を展開している。ミクシィの「mixiページ」も同様に、楽天や千趣会、夢展望など多くの通販事業者が参加している状況だ。

 これらのSNSでの基本的な戦略は、自社のページを登録した「ファン」に向けて最新の商品情報やキャンペーン情報を発信し、添付したURL経由で自社サイトへの誘導を図る、などが一般的のようだ。

 「企業ページ」の最大の特徴は「いいね」や「+1」による情報の"共有"であり、「フォロワー」間で情報を共有・拡散することで、企業の「ファン」以外の層にまで広範に情報を届けられる。このため、通販事業者は自らの「企業ページ」を持ち、情報を発信することで自社サイトへのトラフィック増が期待できるわけだ。
 ただ、こうした施策による直接的な売り上げへの寄与などは、現状はあまり期待していないとの声が多い。もちろん最終的に期待するのは「売り上げ増」だろうが、まずは継続的につながっていてくれる「ファン」を多く作ることが重要とする見方が強く、ブランディングの一環として捉える傾向があるようだ。

 各SNSの「ページ」を、最もフォロワー数が多い楽天をサンプルに比較してみると、「Google+」は1066人、「フェイスブックページ」が23万1892人、「mixiページ」は2万9496人。これを見る限りでは、現状ではフェイスブックページが最も「販促向き」と言えるが、それでもまだ「様子見」の域は出ていないようだ。

 ただ、利用の動きは着実に進んでいるため、登録ユーザー数の拡大に伴って来年以降、収益化への取り組みが本格化する可能性は高い。ツイッターも同様のページを近々日本で開始すると言われており、今後、「企業ページ」はますます注目を集めそうだ。(詳細は「月刊ネット販売1月号」で)
楽天 通販のよみもの 業界団体の会報誌「ジャドマニューズ」 通販売上高ランキングのデータ販売