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中国で急成長中のネット販売企業を親会社に持つ同社は、今年7月18日にバッグの通販サイト「Mbaobao(エムバオバオ)」を開設。毎週、平均して100型の新作を投入する品ぞろえと低価格を武器に、バッグのファストファッションブランドとして参入した。
テスト期間と位置づけたスタート直後の3カ月は、5000円台を中心とした本革バッグが売れ筋となり、中国との共通点を確認できた一方、本国では人気の格安な合皮バッグは反応がいまひとつで、購入単価は当初見込みの4000円台から8000円程度だった。
同社ではMDの精度を高めるため、京都近辺の大学生など自社のアルバイトスタッフの人脈を活用した市場調査を積極化。親会社が用意した新商品の写真や商品詳細情報、モデル着用画像などの新作リストから、欲しい商品に投票してもらうというアナログ的な手法を毎週実施し、日本の消費者に支持される商品の投入に努めている。
ただ、投票ではシンプルでどんな服装にも合わせやすいバッグに人気が集中する傾向があるため、同社バイヤーがトレンドを踏まえた商品のバリエーションを維持できるようにしている。
また、中国側では掴みきれない日本人好みのデザインを増やすため、11月からは日本のバッグメーカーから仕入れた商品の販売をテストしている。現状、2社の商品を取り扱い、ブランド名を付けずに販売しているが、さらに2社との交渉も進めているという。
一方、ファストファッションブランドとしてサイトの訪問頻度を高める取り組みを重視。新商品の投入はもちろん、毎日のようにサイトの見せ方を変えたり、エンターテイメントの要素を加えて消費者に飽きられないようにしている。
例えば、週替わりで新しい企画を実施。商品購入時にウェブ上でルーレットを回してもらい、999円を上限に割引額を決める企画では、何度もルーレットに挑戦する傾向が見られたほか、開催時間を限定したフラッシュセールも集客効果を発揮したという。今後、フラッシュセールの手法は会員に限定し、顧客の囲い込みにつなげることも視野にあるという。
サービス面では、初めての購入を促す目的から、オープン後1カ月間の期間限定で返品を受けるキャンペーンを実施したところ、返品率が4%に届かなかったため、「バッグの品質と価格設定が受け入れられている」(神山大二COO)と判断。年内は返品対応を継続する。
また、9月にカスタマーサービスセンターを立ち上げ、電話で商品選びの手助けや受注にも対応。ネット販売に不慣れな消費者も安心して利用できるようにした。
現状、集客についてはリスティングやウェブ広告を中心に取り組んでいるほか、大手カタログ通販にチラシを同梱したり、11月中旬の1週間は大丸東京店に期間限定店を出店した。
今後も東京、大阪といった大都市をターゲットに期間限定店舗を出店し、ネットユーザー以外にもアプローチして、認知度の向上に努める。