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クーポン再編㊦  「2プラス1」を模索、高級志向やOEMで差別化

2011年11月 9日 16:39

 5-2.jpg参入企業の再編が進むクーポン共同購入サービス。サイトを運営する企業の中には、グルーポン・ジャパンとリクルートの大手2社に対して正面から張り合うのではなく、高級志向やクーポン商品の卸しなど独自の戦略で差別化を図る動きが出てきている。



 「3位ではなく、2プラス1を目指す」。高級商材に特化したクーポン共同購入サイト「ルクサ」を運営するルクサの南壮一郎社長はこう話す。同社は高級志向という切り口で商品を提供。グループ会社が運営する年収1000万円以上を対象とした転職・求人サイトからの送客も行う。そのため「ルクサ」の利用者層も平均年齢40歳と高めだ。

 これまでにリンカーンリムジンを貸し切った東京クルーズのほか、高級ジュエリーのレンタルやスイートルームペア宿泊などがセットになった「シンデレラキャンペーン」といったように贅沢な体験をフックにした商品を打ち出してきた。

 同社では「グルーポン」「ポンパレ」という2強サイトに次ぐ3番手を目指すのではなく、商品の内容や打ち出し方などで差別化を図り、「2プラス1」の立ち位置を模索する。大手に追随するのではなく、独自性を持ったオンリーワンのサービスを提供する考えだ。



 一方、「他社と同じ路線はとらない」と、クーポンのOEM供給を行っているのがシェアリーだ。SBIインベストメント、光通信、e―まちタウンが共同出資して立ち上げた同社では、営業力を武器に提携先向けにクーポンの卸販売に力を入れている。

 シェアリーが扱う商品の半数以上が飲食関連。同社によると、飲食店などのクーポンを扱う場合、営業の面などから獲得にコストが掛かる。そこで営業力に強みを持つ同社がクーポンを獲得し、それを提携先の企業に提供するという仕組みだ。提供先となる企業は、シェアリーからのクーポン供給により商品ラインアップを拡充することができ、既存顧客の単価アップにつながるとしている。

 10月21日には、「クーポンバンク」を運営するジオコードと業務提携。物販に特化したサイト「クーポンバンク」に新たに飲食店などシェアリーのクーポンを掲載。シェアリーにとってみれば「クーポンバンク」の全国10万人の会員に対してクーポンの提供が可能となる。

 大手2社と真っ向からぶつかると「体力のすり減らしをしてしまう」(メディア本部)とし、様々なサイトとの提携を進めるシェアリー。現在、大手通販実施企業の通販サイト内で、クーポンの販売を共同で手がける話も進んでいるようで、さらなる拡大を目指す。

 サービスが始まって1年半が経過したクーポン共同購入サービス。急速な拡大を経て再編の時期に差し掛かっているなか、各社ともそれぞれの持ち味を発揮できるのか、今後に注目したい。

(おわり)



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