新聞無読層に効率的にリーチしたい──。
博報堂DYメディアパートナーズ(HDYMP)は今秋、「新聞無読層」に向けて折込チラシを配達するサービスを始める。地域の小売店や通販事業者のチラシを専用袋にまとめ、地域の新聞販売店が毎週土曜に朝刊配達時に希望する世帯に配達する。東京東部や千葉県と埼玉県の一部を対象にスタートする。
新聞を購読しない層への効率的なリーチ手段の1つとして広告主からはすでに注目が集まっているよう。
ただ、同等のサービスであるリクルートのチラシ宅配サービスが採算が合わなかったようで今年に入り事実上、撤退している。果たしてHDYMPのチラシ宅配サービスは"新聞無読層へのリーチ手段"として根付くのか。
「とどくる」は今年10月1日から開始する無料チラシ宅配サービス。希望する世帯に毎週土曜日、地元のスーパーや通販会社の新聞折込チラシを専用袋にまとめて宅配する。
ほぼ同等のサービスだったリクルートのチラシ宅配サービス「タウンマーケット」では「1週間分のテレビ欄」とチラシをセットにする形式を採っていたが「とどくる」が送付するのはチラシのみ。
昨秋に実施したネット調査の結果、「チラシのみ」の配布でも新聞無読層である20~30代を中心に利用意向が高かったため、「コスト面の観点からも無駄なコンテンツは入れず、"チラシのみ"で行こうと決めた」(HDYMPのアウトドアメディア局オリコミメディア部・巖谷武彦部長)という。
なお、スタート時点の配布エリアは東京・足立区と江戸川区、千葉・浦安市と市川市、埼玉・草加市と越谷市および春日部市に住む世帯となる。
料金はチラシのサイズにより異なり、B4(A4)で1部4・2円、B3(A3)は5・2円、B2(A2)が9・6円、B1(A1)が16円。新聞折込チラシよりもやや高めだが「"チラシが欲しい"人に配るため、チラシへの関心やレスポンスは新聞折込チラシとは大きく異なってくるはず」(巖谷部長)という。なお、広告主は「足立区」「草加市」など行政区単位で配布先を選択できる。
ある調査によれば、20代が世帯主となっている家庭の8割は新聞を定期購読しておらず、若い世代に新聞折込チラシでリーチするのは難しい状況で「とどくる」のようなサービスは広告主も期待を寄せている。ただ、広告主からは大きな期待を集め、全盛期には1回に50枚を超えるチラシが入っていたと思われる「タウンマーケット」が今年2月に撤退した。様々な要因が考えられるが、1つはスキームの問題があったようだ。
そもそも新聞折込チラシのメーン利用社は大手のGMSやドラックストアだが、基本的には土・日のセールに合わせて土曜の朝刊にチラシを入れることが多い。「タウンマーケット」は配送に宅配業者を使っていたため、土曜日の朝に確実に届けるためには宅配日を「金曜」にせざるを得ず、広告主はチラシの納品を通常の新聞折込チラシよりも1日前倒しにしなければならず、結果的に大手GMSやドラックストアを広告主に取り込めず、最終的に事業の継続が困難となったようだ。
「とどくる」の場合、広告主は火曜の午後6時までに「とどくる事務局」に申し込みを行い、チラシを木曜正午までに指定の配送センターに納品。その後、HDYMP側で当該週に配るチラシをまとめてビニールで包装、地域の新聞販売店に届け、そこから各販売店が新聞朝刊に配達と共に「とどくる」を希望世帯に配達する仕組み。
宅配ルートに新聞販売店を絡ませたことで、宅配日を毎週土曜日の朝にしつつも、これまでの新聞折込チラシの納品期限とほぼ同様のスケージュールで「新聞折込チラシの納品先がこれまでのところに加え、『とどくる』が1カ所増えるイメージ」(巖谷部長)と広告主にとって負担のないモデルを構築。地元のスーパーや薬局のチラシで安定的な収益基盤を築きながら、一方で通販事業者など大口チラシ利用社にもアプローチしていきたい考えだ。
現状、10月からのサービス開始に向け、「とどくる」を受け取る一般世帯および広告主への告知および営業を強化している。当該地域の家庭には告知チラシをポスティングしたり、駅構内や電車内、バス内に告知ポスターを掲載するなどで、配布希望世帯を集め、サービス開始時点までに約5万人の会員獲得を目指すとしている。
また、広告主にも営業活動を進めているようで「新聞無読層に効率的にリーチできるかどうかまずはレスポンスを見てみたいという声も多く、反響も悪くない」(巖谷部長)という。実サービス開始前の現段階では何とも言えないところだが、今後が注視されそうだ。
新聞を購読しない層への効率的なリーチ手段の1つとして広告主からはすでに注目が集まっているよう。
「とどくる」は今年10月1日から開始する無料チラシ宅配サービス。希望する世帯に毎週土曜日、地元のスーパーや通販会社の新聞折込チラシを専用袋にまとめて宅配する。
料金はチラシのサイズにより異なり、B4(A4)で1部4・2円、B3(A3)は5・2円、B2(A2)が9・6円、B1(A1)が16円。新聞折込チラシよりもやや高めだが「"チラシが欲しい"人に配るため、チラシへの関心やレスポンスは新聞折込チラシとは大きく異なってくるはず」(巖谷部長)という。なお、広告主は「足立区」「草加市」など行政区単位で配布先を選択できる。
ある調査によれば、20代が世帯主となっている家庭の8割は新聞を定期購読しておらず、若い世代に新聞折込チラシでリーチするのは難しい状況で「とどくる」のようなサービスは広告主も期待を寄せている。ただ、広告主からは大きな期待を集め、全盛期には1回に50枚を超えるチラシが入っていたと思われる「タウンマーケット」が今年2月に撤退した。様々な要因が考えられるが、1つはスキームの問題があったようだ。
そもそも新聞折込チラシのメーン利用社は大手のGMSやドラックストアだが、基本的には土・日のセールに合わせて土曜の朝刊にチラシを入れることが多い。「タウンマーケット」は配送に宅配業者を使っていたため、土曜日の朝に確実に届けるためには宅配日を「金曜」にせざるを得ず、広告主はチラシの納品を通常の新聞折込チラシよりも1日前倒しにしなければならず、結果的に大手GMSやドラックストアを広告主に取り込めず、最終的に事業の継続が困難となったようだ。
「とどくる」の場合、広告主は火曜の午後6時までに「とどくる事務局」に申し込みを行い、チラシを木曜正午までに指定の配送センターに納品。その後、HDYMP側で当該週に配るチラシをまとめてビニールで包装、地域の新聞販売店に届け、そこから各販売店が新聞朝刊に配達と共に「とどくる」を希望世帯に配達する仕組み。
宅配ルートに新聞販売店を絡ませたことで、宅配日を毎週土曜日の朝にしつつも、これまでの新聞折込チラシの納品期限とほぼ同様のスケージュールで「新聞折込チラシの納品先がこれまでのところに加え、『とどくる』が1カ所増えるイメージ」(巖谷部長)と広告主にとって負担のないモデルを構築。地元のスーパーや薬局のチラシで安定的な収益基盤を築きながら、一方で通販事業者など大口チラシ利用社にもアプローチしていきたい考えだ。
現状、10月からのサービス開始に向け、「とどくる」を受け取る一般世帯および広告主への告知および営業を強化している。当該地域の家庭には告知チラシをポスティングしたり、駅構内や電車内、バス内に告知ポスターを掲載するなどで、配布希望世帯を集め、サービス開始時点までに約5万人の会員獲得を目指すとしている。