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高島屋のネット販売、店頭との連携強化で生き残りへ

2011年 4月21日 17:45

3kata.jpg 高島屋のクロスメディア事業部は今期、百貨店店頭との連携強化と、ネット商材の開発を重点項目として取り組む。

 店頭連動では在庫の共有化に着手する。同社は2008年に店頭のアパレルと化粧品をネット販売する「ファッションモール」を開設。ネット用に在庫を確保して運営してきたが、横浜店(横浜タカシマヤ)の在庫と一元化することで取扱品目の拡大や奥行きの改善につなげる。

 まずは5月から化粧品で取り組みを開始。横浜店は国内百貨店の中でも化粧品の売り上げがベスト5に入る大型店で、品ぞろえに加えて商品個々の奥行きが増すという。横浜店で取り扱いのない商品も引き続き展開し、通販サイトが一番の品ぞろえとなるようにする。

 店頭販売員に協力を要請し、カウンセリングやサンプル提供などコスメの特徴ともいえる機能を付加し、店頭受け取りサービスの導入を視野に来店促進にもつなげる。

 ファッション分野では下期から横浜店と在庫連動をスタートし、品ぞろえとサイズバリエーションの拡充などに取り組む。

 通販サイトでは先行して、着まわし術をビジュアルで見せる取り組みを開始(画像)。セット買いの比率が増えるなどの効果が出ており、今後、店頭スタッフのノウハウもとり入れることで旬のアイテムの買い回りを促す。

 同社では「店頭との連携を深めることが百貨店通販の生きる道」(青木和宏クロスメディア事業部長)としており、店頭とネットで相互送客する仕組みにも取り組む。

 昨年、店頭で「育メンコーナー」を設置した際、個々の商品にQRコードを付けたところ、育児関連グッズは職場全体で贈ったり、自宅で家族と相談して決めるケースが多いことなどから、当該商品にモバイルからの流入が増えたという。こうしたウェブ集客に加え、ウェブから来店につなげる取り組みも今期中に具体化したい意向という。

 一方、ネット商材の開発に当たっては今年2月、初めてネット専任のバイヤーを起用し、食品やリビング商材などのテコ入れを図っている。

 食料品については物産展担当のチーフバイヤーがネット専任となったことで、全国の厳選した食品を在庫は持たず、産地直送方式で品ぞろえを強化し、季節性の高い商品を除いていつでもネットで購入できるようにする。

 同社は今期、カタログとネット、テレビの3メディアすべてで増収増益を計画。足元では創業180周年企画が業績を押し上げており、12年2月期のクロスメディア事業部売上高は前年比6・3%増の191億6000万円を計画している。
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