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有力各社次の一手は? オルビス、"存在感"あるブランドに、SNS活用でくちコミ活性化

2011年 4月 7日 10:56

オルビスが今年3月の主力スキンケアブランド「アクアフォース」リニューアルに伴い、SNSを使ったプロモーションを強化している。ミクシーやツイッターなどで製品絡みの話題を提供し、くちコミの活性化を図る狙い。ネット上で常に話題を振りまき、ブランドの"存在感"を高めていく。
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 オルビスではこれまで、ミクシーで広告出稿やキャンペーンを行ったことはあるが、ツイッターやフェイスブックの活用は初めて。背景には、くちコミが購入判断を大きく左右する基準になりつつあることがある。

 ひと昔前であれば、検索エンジン経由で表示されたブログが購入判断の一助となっていた。だが、今ではアフィリエイト絡みのブログやサイトが氾濫。個人ベースの純粋なくちコミを求める多くのユーザーは、自らの好むSNSで製品に関するくちコミを収集するようになった。SNSにくちコミがなければ"存在感がない"といった評価にもつながりかねず、全方位でくちコミを発生させる必要があった。

 各SNSでは特性に合わせたプロモーションを展開。すでにコミュニティが存在するミクシーでは、商品情報やモニター募集といったキャンペーン情報の提供などコミュニティの活性化をサポートする介入に留める。

 一方、情報の拡散に強いツイッターでは、モニター募集したユーザーや著名ブロガーへの商品提供により、ツイートの増加を図る。フェイスブックは、より深く商品や企業情報、キャンペーン情報を知りたいユーザーに対応したホームページに近い作り。シェアマインドが高いことから、共感によるくちコミの横の広がりも意識する。

 ただ、今回のSNS活用は、キャンペーンと連動した短期的なもの。「将来的にはCRMと連動する形で本格的な展開が必要」(同社)とするものの、新規客の獲得効果の検証を続ける。

 一方で公式ウェブサイトのテコ入れも行う。

 これまで、コンテンツで顧客とつながる重要性から、会報誌には美容や料理など商品以外の情報を多く盛り込んできた。このため顧客も会報誌を単なる広告ではなく、雑誌のように捉えていた。

 対するウェブサイトは購入の利便性などECに特化した作り。カタログがコンテンツとして機能していたためだが、ウェブサイトのみ利用する顧客の増加に対応し、コンテンツの充実を図る必要が出てきたためだ。

 ウェブ上では美容特集等を組む「Webマガジン」といったコンテンツを追加。「アクアフォース」の展開に併せたウェブムービーも展開する。

 競合各社それぞれが鋭い切り口を持つブランドを展開する中、スキンケアも商品力のみの差別化は難しくなっている。

 オルビスではSNS活用により常にある"存在感"を演出。ブランド力を高めることで、選ばれるスキンケアブランドになることをめざす。


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