安全性確保策を前提に経過措置延長の公算行政刷新会議は3月6、7日の2日間にわたり都内で規制仕分けを開催し、医薬品通販規制について、安全性確保の要件設定を前提に規制見直しの方向性を打ち出すとともに、離島居住者などに第2類医薬品の通販を認める経過措置を延長すべきとする評価結果をまとめた。当日は仕分け人(評価者)と厚労省のほか、行政刷新会議双方の参考人を交え議論を展開。仕分け人側が厚労省の提示した資料の中身、規制根拠などを追求する場面も見られた。結果的には、10人の仕分け人すべてが「医薬品通販規制を見直すべき」との見解で一致。3月中に政務三役が省庁側と折衝を行い、その後閣議決定等で具体的な対応策を担保する見込みだ。
規制仕分けでは、厚生労働省の医薬品通販規制に関する概要説明を受け、仕分け人側が従前の通販で医薬品を入手できなくなった消費者が多く存在するなど、国民に不便を強いているとの問題点を指摘。ネットなどの医薬品通販を規制することが利用者の便益を比較考慮し必要最小限の規制と言えるのか、薬局・薬店が医薬品通販を行う場合の具体的な安全性確保策の検討、現行の医薬品の分類の妥当性、経過措置の延長といった論点を挙げた。
具体的な議論では、まず蓮舫行政刷新担当大臣が口火を切り、第2類医薬品の販売時の情報提供が「薬事法」で努力義務になっているのに対し、省令で対面販売以外禁止となっているのはなぜなのかを確認。これに対し厚労省側は、より安全を期すために法律よりも厳しい規制を課している回答した。
さらに対面販売の方が郵便やネット販売よりも副作用の発生が少ないとする根拠について追求。厚労省担当者は根拠となるデータがないとした上で、「データを取ろうとすると、壮大な実験をしなければならない」などと回答。さらに大塚耕平厚労副大臣が「薬害は起こしてはならないという責任意識から、対面販売の方が相対的に安全だと判断している」と、フォローする場面も見られた。
一方、厚労省が資料で提示したネット販売に関係した副作用事故の事例について、「薬事法」で規定された一般用医薬品とは異なる事例が多いとの仕分け人側の指摘に対し、厚労省はネットでは、正規の許可を受けた薬局等が販売しているのか分からないとする従来からの主張を展開した。
これに対し、蓮舫大臣は、議論しようとしている一般用医薬品の対象外の事例であるため、峻別すべきと指摘。大塚厚労副大臣は、「対面でないと本物でない医薬品を購入してしまうとすれば、こうした事象が生じるということを、老婆心ながら例示しているのかも知れない」としたが、蓮舫大臣が対象外の医薬品を混同するような議論は終結すべきと釘を刺し、大塚副大臣もそれに同意した。
今回の規制仕分けでも、厚労省側はネットが対面に劣るとのスタンスを見せたが、その根拠の脆弱さや論点のすり替えなどを追求された形だ。
一方、経過措置が切れる6月以降の対応についての質問もあったが、厚労省では、現在、実態調査を行っており、その結果に基づいて経過措置の延長などの対応を検討するとの考えを示した。
一連の議論を終えての仕分け人側の評価としては、10人全員が規制を見直すべきとの認識で一致。「安全性を確保する具体的な要件の設定を前提に、第3類医薬品以外についても薬局・薬店による郵便等販売の可能性を検討する」との規制改革の方向性をまとめ、「検討の結論が得られるまでの間、経過措置を延長するとともに、医薬品のリスク区分について不断の見直しを行う」とする留意点を挙げた。
規制改革会議が規制見直しや経過措置延長の方向性を示したことで、5月以降、第2類医薬品通販が継続できる可能性が出てきたが、規制仕分けを傍聴していたケンコーコムの後藤玄利代表は、今回の評価結果について、妥当なところに落ち着いたとの見方。医薬品ネット販売継続に向けては、「まだ一里塚でまだ詰めなければならないことが沢山ある。今の経過措置の中では、一刻も早く結論を出さなければならない話だが、既にたたき台も出しており、話し合いが始まれば、それほど時間を掛けずに結論は出せると思う」とした。
行政刷新会議は3月6、7日の2日間にわたり都内で規制仕分けを開催し、医薬品通販規制について、安全性確保の要件設定を前提に規制見直しの方向性を打ち出すとともに、離島居住者などに第2類医薬品の通販を認める経過措置を延長すべきとする評価結果をまとめた。当日は仕分け人(評価者)と厚労省のほか、行政刷新会議双方の参考人を交え議論を展開。仕分け人側が厚労省の提示した資料の中身、規制根拠などを追求する場面も見られた。結果的には、10人の仕分け人すべてが「医薬品通販規制を見直すべき」との見解で一致。3月中に政務三役が省庁側と折衝を行い、その後閣議決定等で具体的な対応策を担保する見込みだ。
規制仕分けでは、厚生労働省の医薬品通販規制に関する概要説明を受け、仕分け人側が従前の通販で医薬品を入手できなくなった消費者が多く存在するなど、国民に不便を強いているとの問題点を指摘。ネットなどの医薬品通販を規制することが利用者の便益を比較考慮し必要最小限の規制と言えるのか、薬局・薬店が医薬品通販を行う場合の具体的な安全性確保策の検討、現行の医薬品の分類の妥当性、経過措置の延長といった論点を挙げた。
具体的な議論では、まず蓮舫行政刷新担当大臣が口火を切り、第2類医薬品の販売時の情報提供が「薬事法」で努力義務になっているのに対し、省令で対面販売以外禁止となっているのはなぜなのかを確認。これに対し厚労省側は、より安全を期すために法律よりも厳しい規制を課している回答した。
さらに対面販売の方が郵便やネット販売よりも副作用の発生が少ないとする根拠について追求。厚労省担当者は根拠となるデータがないとした上で、「データを取ろうとすると、壮大な実験をしなければならない」などと回答。さらに大塚耕平厚労副大臣が「薬害は起こしてはならないという責任意識から、対面販売の方が相対的に安全だと判断している」と、フォローする場面も見られた。
一方、厚労省が資料で提示したネット販売に関係した副作用事故の事例について、「薬事法」で規定された一般用医薬品とは異なる事例が多いとの仕分け人側の指摘に対し、厚労省はネットでは、正規の許可を受けた薬局等が販売しているのか分からないとする従来からの主張を展開した。
これに対し、蓮舫大臣は、議論しようとしている一般用医薬品の対象外の事例であるため、峻別すべきと指摘。大塚厚労副大臣は、「対面でないと本物でない医薬品を購入してしまうとすれば、こうした事象が生じるということを、老婆心ながら例示しているのかも知れない」としたが、蓮舫大臣が対象外の医薬品を混同するような議論は終結すべきと釘を刺し、大塚副大臣もそれに同意した。
今回の規制仕分けでも、厚労省側はネットが対面に劣るとのスタンスを見せたが、その根拠の脆弱さや論点のすり替えなどを追求された形だ。
一方、経過措置が切れる6月以降の対応についての質問もあったが、厚労省では、現在、実態調査を行っており、その結果に基づいて経過措置の延長などの対応を検討するとの考えを示した。
一連の議論を終えての仕分け人側の評価としては、10人全員が規制を見直すべきとの認識で一致。「安全性を確保する具体的な要件の設定を前提に、第3類医薬品以外についても薬局・薬店による郵便等販売の可能性を検討する」との規制改革の方向性をまとめ、「検討の結論が得られるまでの間、経過措置を延長するとともに、医薬品のリスク区分について不断の見直しを行う」とする留意点を挙げた。
規制改革会議が規制見直しや経過措置延長の方向性を示したことで、5月以降、第2類医薬品通販が継続できる可能性が出てきたが、規制仕分けを傍聴していたケンコーコムの後藤玄利代表は、今回の評価結果について、妥当なところに落ち着いたとの見方。医薬品ネット販売継続に向けては、「まだ一里塚でまだ詰めなければならないことが沢山ある。今の経過措置の中では、一刻も早く結論を出さなければならない話だが、既にたたき台も出しており、話し合いが始まれば、それほど時間を掛けずに結論は出せると思う」とした。