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フェリシモ 〝新規注文〟予想以上に 多機能端末にカタログ配信

2011年 3月 7日 21:40

041.jpg米アップルの多機能端末、「iPad(アイパッド)」と「iPhone(アイフォーン)」に対応した電子カタログの配信を行う企業が増えている。フェリシモでは、昨年6月から両端末で同社の最新カタログがまとめて閲覧できるようにした。
 
 電子カタログアプリケーションを配信している。カタログは無料で閲覧可能なほか、最新カタログが発行されるたびに自動で更新される仕組み。衣料品のほか、雑貨や手づくりキット、美容関連、食品など幅広い商品を掲載した。

 カタログが表示される画面では、画面をタップするとサムネイル(画像の縮小プレビュー)表示、ダブルタップすると拡大縮小する。端末を縦にすると1ページ、横にすると見開きで表示される。

 当初はカタログから通販サイトに移動できないため、商品を購入する際には電話や、パソコン・携帯電話から注文する必要があったが、10月からはショッピング機能を搭載した。マーケティング本部eビジネス部の島重仁部長は「大きな期待はしていなかったが、思っていた以上に新規顧客の購入が多い」と手応えを語る。

 実際にどの程度注文が来ているかに関しては「リスティング広告などと変わらないレベルでオーダーがある」(島部長)。ボリュームが増えてくれば費用対効果は高いと言えそうだ。

 とはいえ、現在は紙のカタログをそのままデジタル化しただけのため、今後はよりデバイスに特化したコンテンツの作成が求められる。島部長は「横だけではなく縦にめくれたり、動画を埋め込んだり、さまざまな形が考えられる」と話す。例えば、手づくり雑貨カタログ「クチュリエ」であれば、商品の使い方などを解説した動画の効果は高い。ブランドや商品の特性に合わせて、紙カタログと電子カタログの住み分けを進める必要がありそうだ。

 カタログアプリ以外の専用アプリの開発も進めている。現在、フェリシモのネット販売売り上げのうち、他媒体に依存せずにスマートフォンで完結する売り上げの占める割合はまだ数%だが、カタログで商品を見て、スマートフォンで注文するケースなどを含めると、10%に近づいている。「いわゆる"ガラケー"と呼ばれる従来の携帯電話経由の注文は伸びておらず、さらにアクティブユーザーはスマートフォンを使っている率が高い」(同)という。

 また、スマートフォンの利点は年齢層の偏りの無さだ。ガラケーを使って買いものをする消費者は、どうしても若年層に偏りがちなのが難点だったが、スマートフォンにはこうした傾向はない。

 島部長は「スマートフォンの普及が進み、専用アプリをインストールしてもらえれば広告出稿費用を減らすことにもつながるのでは」と話す。"注文デバイス"としてのスマートフォンへの期待はますます高まりそうだ。

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