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電子カタログアプリケーションを配信している。カタログは無料で閲覧可能なほか、最新カタログが発行されるたびに自動で更新される仕組み。衣料品のほか、雑貨や手づくりキット、美容関連、食品など幅広い商品を掲載した。
カタログが表示される画面では、画面をタップするとサムネイル(画像の縮小プレビュー)表示、ダブルタップすると拡大縮小する。端末を縦にすると1ページ、横にすると見開きで表示される。
当初はカタログから通販サイトに移動できないため、商品を購入する際には電話や、パソコン・携帯電話から注文する必要があったが、10月からはショッピング機能を搭載した。マーケティング本部eビジネス部の島重仁部長は「大きな期待はしていなかったが、思っていた以上に新規顧客の購入が多い」と手応えを語る。
実際にどの程度注文が来ているかに関しては「リスティング広告などと変わらないレベルでオーダーがある」(島部長)。ボリュームが増えてくれば費用対効果は高いと言えそうだ。
とはいえ、現在は紙のカタログをそのままデジタル化しただけのため、今後はよりデバイスに特化したコンテンツの作成が求められる。島部長は「横だけではなく縦にめくれたり、動画を埋め込んだり、さまざまな形が考えられる」と話す。例えば、手づくり雑貨カタログ「クチュリエ」であれば、商品の使い方などを解説した動画の効果は高い。ブランドや商品の特性に合わせて、紙カタログと電子カタログの住み分けを進める必要がありそうだ。
カタログアプリ以外の専用アプリの開発も進めている。現在、フェリシモのネット販売売り上げのうち、他媒体に依存せずにスマートフォンで完結する売り上げの占める割合はまだ数%だが、カタログで商品を見て、スマートフォンで注文するケースなどを含めると、10%に近づいている。「いわゆる"ガラケー"と呼ばれる従来の携帯電話経由の注文は伸びておらず、さらにアクティブユーザーはスマートフォンを使っている率が高い」(同)という。
また、スマートフォンの利点は年齢層の偏りの無さだ。ガラケーを使って買いものをする消費者は、どうしても若年層に偏りがちなのが難点だったが、スマートフォンにはこうした傾向はない。
島部長は「スマートフォンの普及が進み、専用アプリをインストールしてもらえれば広告出稿費用を減らすことにもつながるのでは」と話す。"注文デバイス"としてのスマートフォンへの期待はますます高まりそうだ。