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アマゾンジャパンは年内をメドに「Amazon.co.jp」の出店事業者を対象とした物流代行サービス「フルフィルメント・バイ・アマゾン(FBA)」にこれまで未対応だった「食品」を加え、食品の品ぞろえを拡充・強化する狙いだ。
これまで食品は通販サイト内の「食品&飲料」ストアで販売。品ぞろえの拡充のために自社仕入れ商品に加えて、食品メーカーなど出店企業が販売する商品など数万点を販売してきた。ただ、出店者の商品は出店者から直接、顧客に配送しなければならず販売する食品は持っているが、配送スキームがない食品メーカーなどをアマゾンは取り込めずにいた模様だ。
FBAが食品に対応することで配送面がネックでアマゾンに出店しなかった食品メーカーや地場業者などに出店を促し、食品の取扱数を拡充したい狙い。なお、FBAを利用して販売される食品はアマゾンの仕入れ商品と同様、通常配送料のユーザー負担は無料。
ただ、対象とするのは「常温保存できる賞味期限・消費期限のある食品のみ」(同社)のようで生鮮品や冷蔵・冷凍が必要なものは対象外。これはアマゾンの全国5カ所の物流拠点で食品管理が行える設備があるのは、自社仕入れの加工食品などを在庫する千葉・市川の「アマゾン市川フルフィルメントセンター(FC)」のみで、この市川FCでも冷蔵・冷凍ものを管理できる設備がないためだ。
アマゾンが今後、どこまで物流代行事業を強化していくかは不明だが、FBAの食品対応で食品の品ぞろえや売上高が伸びそうで、ビジネスになると判断すれば、豊富な資金でFBA対象を要冷凍・冷蔵ものまでカバー範囲を広げていく可能性もある。
またFBAの対応拠点数自体はすでに増やす方向のようで、現在、FBAの対応拠点は市川FCと千葉・八千代市内の「八千代FC」のみだが、年内に開業する愛知・常滑市と宮城・岩沼市の2拠点もFBA対応拠点とする模様で、加えて両方またはどちらかの拠点は市川FCと同じく、食品が管理できる設備を整える可能性もあるようだ。食品の通販事業者はアマゾンの動向を注視する必要がありそうだ。