ヤマトHD「9カ年経営計画」 新市場創出し成長めざす、独自サービス拡充へ
ヤマトホールディングスは1月28日、2011年度からスタートする9カ年の経営計画「DAN―TOTSU経営計画2019」の概要を明らかにした。ノンデリバリーの新規事業創出を通じた国内での成長と、アジア市場での事業拡大を骨子としたもので、ソリューション力や配送品質、顧客満足などでアジアナンバーワンの地位確立を目指す。この長期経営計画では、通販事業者もターゲットに据え、新たな機能・サービスを提供していく構えだ。
今回の経営計画では、グループのソリューション力を活かし、国内を中心に新規事業を多数立ち上げるとともに、成長が見込まれるアジア市場での業容拡大を進める。
まず、国内ではネットスーパーには止まらない少子高齢化に対応した「生涯生活支援プラットフォーム」を構築し、地域や社会に貢献する新規事業の創出を構想。また、「宅急便」の"ラストワンマイル ネットワーク"にグループ各社が手掛けるITやロジスティクス、決済等の機能を連携させた独自の流通ソリューション事業創出を目指す。
現在、ヤマトグループでは45の事業を展開しているが、長計最終事業年度にこれを100事業にまで拡大させる計画。「既に組織的に動いている新規事業の種が40程度ある」(市野厚史経営戦略担当執行役員)としており、中には通販関係のものもありそうだ。ノンデリバリー事業の収益拡大は長計のポイントなっており、同事業の営業利益構成比を現在の30%程度から50%超にまで引き上げる考えだ。
また、アジア市場については、引き続き「宅急便」の展開エリア拡大を進める。すでにシンガポール、中国・上海などで「宅急便」を展開しているが、今後、人口の多い中国湾岸地域や韓国などへの進出も構想。国際的な「宅急便」のネットワークを拡充し、普通に「通販で注文した商品が海外の在庫から届く」(同)ような展開を構想する。
長計の第1段階となる13年までの3カ年では、個人会員組織「クロネコメンバーズ」の会員数拡大や情報のフルデジタル化、ネットワークの高度化など、今後の高付加価値サービス提供を睨んだ基盤強化とともに、「宅急便」などデリバリー事業の収益力向上を推進。今年度末の「メンバーズ」会員数は600万人弱で着地する見込みだが、長計最終事業年度には数千万人規模としたい考えだ。
また、ノンデリバリー事業では、代引き電子マネー決済など"軒先決済"市場の深耕を推進。ネット販売の注文商品を短時間で顧客に届ける「トゥデイ・ショッピング・サービス」(TSS)についても、昨夏から展開している台湾を足掛かりに海外ネットワーク化に着手。現状、どの国・地域から展開するかは公表していないが、「『宅急便』のネットワークがあるところでは『TSS』を導入する」(同)という。
ヤマトホールディングスでは通販事業者について、「B〓Cの強みを活かせる点からも一番のターゲット。特にネット販売系の事業者に使ってもらいたい」(市野経営戦略担当執行役員)としており、今後、通販事業者向けのサービスをさらに拡充していく考えのようだ。
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まず、国内ではネットスーパーには止まらない少子高齢化に対応した「生涯生活支援プラットフォーム」を構築し、地域や社会に貢献する新規事業の創出を構想。また、「宅急便」の"ラストワンマイル ネットワーク"にグループ各社が手掛けるITやロジスティクス、決済等の機能を連携させた独自の流通ソリューション事業創出を目指す。
現在、ヤマトグループでは45の事業を展開しているが、長計最終事業年度にこれを100事業にまで拡大させる計画。「既に組織的に動いている新規事業の種が40程度ある」(市野厚史経営戦略担当執行役員)としており、中には通販関係のものもありそうだ。ノンデリバリー事業の収益拡大は長計のポイントなっており、同事業の営業利益構成比を現在の30%程度から50%超にまで引き上げる考えだ。
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ヤマトホールディングスでは通販事業者について、「B〓Cの強みを活かせる点からも一番のターゲット。特にネット販売系の事業者に使ってもらいたい」(市野経営戦略担当執行役員)としており、今後、通販事業者向けのサービスをさらに拡充していく考えのようだ。