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会員制セールサイトの仕掛け人に聞く――ギルト・グループ・グラスカーCEO「質の高い顧客・ブランドを」

2011年 1月27日 12:35

3kata.jpg 日本にオンラインファミリーセールという新しいビジネスモデルを持ち込んだギルト・グループ。昨年暮れには体験型クーポン事業を開始するなど、物販以外へとサービス領域を広げている。日本法人のCEOに就任したばかりのピーター・グラスカー代表に、成長戦略や新しい取り組みなどについて聞いた。(聞き手は本紙記者・神崎郁夫)

 ――もうすぐ日本上陸2年になるが、これまでの取り組みをどう評価している。

 「日本では、すべてが計画に対してパーフェクトな状態ではないが、成功していると言える。とくに、この半年間は日本での事業に弾みがついており、2011年は非常に期待できる」

 ――新CEOとして重視する点は。

 「会員数や取り扱いブランドを増やすことだけに気をまわしてはダメだ。質の高いブランドを扱うことを重視する。当社は、米国でブラッシュアップした技術力を日本に移植できるのが強みだ。とくに、サイトの表現方法や注文までのユーザビリティー、顧客ひとりひとりに合わせた画面表示の仕方など、技術力は大きく進歩している。1月末には、日本でもiPadやiPhone向けアプリをスタートできる。事業運営面では、新しいカテゴリーに事業領域を広げたところだ」

 ――昨年の暮れに『ギルト・シティ東京』をスタートした。

 「米国では7都市で体験型クーポン事業を展開している。そもそも、高級ブランドが好きな当社の顧客は、ハイエンドのスパやレストラン、イベントに興味があるのではと考えたのが、ギルト・シティのきっかけだ。米国の会員に気に入ってもらえたため、50万人の顧客を抱える日本でも同様のサービスをスタートした。当社には年収1000万円以上の顧客が多いため、ラグジュアリーな体験を提供していく。ただし、すべての顧客が楽しめるよう、サービスに幅は持たせる」

 ――東京以外でも展開するのか。

 「もちろん他の都市にも拡充したいが、まずは東京でしっかりとした基盤を構築したい。毎日、新しい体験を提供できるようにする」

 ――シティの状況は。

 「まだ始まって間もないが、当初計画は上回って推移している。長期的に成功するにはサービス提供先の質が重要だ。数カ月後の成功は求めていない。シティを始めるに当たり、顧客の意見を聞いたり、オンライン調査も行った。ただ、この事業は売り上げ数値を見るだけでも、参考になることが多い。顧客の反応に合わせて、提供するサービスをスピーディーに変えられるのはこのビジネスの特徴と言える」

 ――オンラインファミリーセールサイトの市場をどう見る。

 「日本の市場は魅力的だし、楽観的に見ている。いまは市場を作っている段階で潜在需要は十分にあるが、新しいビジネスモデルのため、将来的にどういう成長を遂げるかは予想しづらい」
 直近の経営目標は。

 「詳細は公表していないが、11年6月期は前年比で3倍の売上高を達成できると見ている。会員数も同時期に75万人を予想している」
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