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カクヤス オフィス用品通販に参入、社長にアスクル出身者

2011年 1月 4日 13:54

 酒販チェーンのカクヤスは12月17日、オフィス・デポ・ジャパン(ODJ)を買収し、オフィス用品通販事業に参入した。本業で培った飲食店などへの酒の宅配ルートに文具や生活雑貨を乗せるなどで本業とのシナジーが図れると判断したもよう。ODJの社長にはオフィス用品通販大手のアスクルで執行役員を務めたカクヤス副社長の細谷武俊氏が就任。新生ODJにアスクルのノウハウを注入、オフィス用品通販拡大を図る。

 カクヤスは12月17日付でオフィス用品販売大手の米オフィス・デポから全額出資の日本法人であるODJの全株を取得、完全子会社化した。買収額は明らかにしていない。ODJが現在、展開中の通販カタログやネット販売事業は継続しつつ、新たな販路として本業の宅配ルートを活用するもよう。同社は2010年10月にも花弁宅配のフローリィネットを買収、飲食店へ花の宅配を行っていることから、同様にカクヤスが展開する店舗の周辺の飲食店などを顧客とした送料無料での酒類・飲料の宅配事業で培った顧客や宅配ルートに、文具やトイレットペーパーなどの生活雑貨の販売、通販カタログの配布など行うもの見られる。また、カクヤスの酒販店舗の一部をオフィス用品販売店「オフィス・デポ」に変更して店頭販売や配送拠点などにする可能性もあるようだ。

 ODJ買収に伴い、同社社長にカクヤスの細谷武俊副社長が就任。細谷氏はアスクルで執行役員を務めた経験があり、「新生ODJ」にアスクルノウハウを注入し、オフィス用品通販事業の売り上げ拡大を図っていくもよう。

 ODJは米オフィス・デポとダイイチ(現エディオングループ)との業務提携で97年から日本市場での本格参入を開始。実店舗と通販でビジネス拡大を図ったものの、アスクルに代表される国内オフィス用品通販事業者との競争で次第に勢いを失い、09年の店舗事業から撤退、通販事業に特化していた。

 事実上、アスクルとの争いに敗れ規模縮少を余儀なくされたODJをアスクル出身の細谷社長がどう再生し、対抗していくのか。今後が注目されそうだ。

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