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「有力各社、次の一手は?」㊤ ガシー・レンカー・ジャパン 〝日本向け処方〟を訴求

2011年 1月 4日 13:49

 「日本人向けの処方であることを強く訴求していく」。ニキビケア化粧品の海外ブランドとして国内市場に浸透したガシー・レンカー・ジャパン(GRJ)が、さらなるシェア争奪に挑む。1月から商品マーケティングを変更。"肌への刺激が強そう"など海外ブランドが抱かれやすいイメージを払拭し、新規客の獲得を図る考えだ。さらに、ポイントプログラムやサポート体制の強化など顧客サービスの改革も進め、幅広い層にアプローチしていく。

 10代の男女を中心とする、いわゆる"思春期ニキビ"への対応商品を中心に形成されてきたニキビケア市場は昨今、20~30代女性の社会進出に伴い、仕事上のストレスなど外的刺激が原因となる"大人ニキビ"を含め、市場が拡大している。

 民間信用調査機関の調べによると、09年のニキビケア市場は、前年比横ばいの312億円。治療を伴うものから化粧品まですそ野は幅広いため正確な数字を把握することは難しいが、化粧品の国内市場全体に陰りが見えることを考えると、成長が期待される分野といえるだろう。

 こうした中、GRJも「プロアクティブ」発売以来、2ケタ成長を続け、前々期(08年12月期)売上高は約23%増の約171億円(民間信用調査機関調べ)で着地している。

 だが、前期売上高は約9%増の186億円(同)前後だったとみられ、伸び率は鈍化。"大人ニキビ"という新たな市場に向けて各社こぞって攻勢をかけており、競争が激化している。「ニキビケア化粧品ブランドとしての地位を維持するため、何が必要なのか」。既存客や「プロアクティブ」未経験者へのアンケートを通じて見えてきたのが"日本向け処方"であることの再訴求だ。



 既存客や「プロアクティブ」未経験者の男女580人を対象にした調査では、半数以上が「効果があれば国内、海外ブランドにこだわりはない」と回答したものの、44%は"あえて国内ブランドを好む"という結果が得られたという。理由の多くは、「安心感」「肌に合いそう」というもの。海外ブランドの商品は依然として「肌に強そう」といった印象が根強い反面、開拓の余地が残されていることも分かった。もともと日本向けに処方を変えた商品だが、シェア拡大には改めてメッセージを発信する必要があった。


 商品訴求では、テレビやネット、雑誌、屋外広告など全方位で「日本人の肌にぴったり」「日本人のニキビ肌を研究してリニューアル」など日本向け処方であることを強調。新たに「日本人の肌を考えたプロアクティブ」というアテンションマークも作成し、商品や広告で表示していく。

 また市場を二分する思春期ニキビと大人ニキビに合わせてイメージキャラクターを起用。例えば、ミス・ユニバースをめざす日本人女性のコーチとして著名なイネス・リグロンさんの場合、「オレンジページ」などライフスタイル誌を中心に出稿。思春期ニキビの悩みを抱える子供の親向けにメッセージを発信していく。ターゲットに併せた雑誌の選択であらゆる世代にアプローチしていく。

 商品自体も「リペアリングクリーム」の有効成分を150%増量し、「リペアリングトリートメント」としてリニューアルを実施。パッケージは、次の購入目安となるオレンジラインを引いた。

 これら商品や商品マーケティングの変更と併せて実施したのが、セット商品のライン拡充やポイントプログラムの改訂など顧客サービスの向上を図る施策だ。(つづく)

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