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10大ニュースから読者の声――iPadに期待

2010年12月16日 17:02

2men.jpg 2010年の通販業界で特に強い印象を読者に与えた10大ニュース。本欄では、選ばれた4位以下の出来事に対する読者の声を紹介していく。

 4位に入ったのは「iPad上陸」。米アップルの多機能情報端末iPad(アイパッド)が5月末に発売された。直感的な操作性による使いやすさや、画面の見やすさ、さまざまなアプリなどが特徴で、幅広い年齢層の利用が見込まれる。すでに大手通販企業も活用しており、「人々の消費行動や生活様式まで変革しうる可能性を持っている」「比較的紙媒体に近いツールとして活用できるため注目している」「高齢者でも利用できるPCとして大きなインパクトとなる」など、iPadが秘めた可能性に期待するコメントが多かった。

 5位「ツイッター大流行」。昨年から兆しはあったものの、今年に入ってからは多くの通販企業が自社のアカウントを開設し、情報を発信するようになった。とはいえ、目に見える成果を出している企業はごく少数。「市場形成が従来とまったく異なる、人・場所・タイミングで行われることを前提として商品を売っていかなければならない」という意見に代表されるように、ソーシャルメディアを効果的に活用したマーケティング手法の確立を課題として挙げる企業は多いようだ。

 同数ポイントで5位には「通販市場、4兆円超も鈍化傾向」がランクイン。カタログなど従来型の通販は縮小する一方。ネット販売に関しても市場こそ拡大しているが、それは新規参入企業の増加があってこそ。今年は有名ネット販売企業が倒産したり、事業を手放したりするケースも目立った。「(成長が)鈍化傾向にある市場において、事業体質の見直しが重要になる」「2、3年前であれば、ある程度放っておいても伸びていた通販売り上げが、今はバブルが弾けたがごとく勢いを感じなくなった」といった声は、競争激化による厳しい現状を示している。

 そんな中でイベント出展や実店舗に活路を見出す企業も増えており、「相次ぐリアル進出」7位となった。ファッションショーや百貨店での展開のほか、ヤフー、楽天はそれぞれ百貨店と組んで物産展を開催した。「実店舗とインターネットとの融合により、いかに拡販していくかを模索する時代」「ネット、カタログを有効活用し、実店舗と連携しなければならない」「通販の活性化と、その反面となる競争激化を如実に表している」などの意見が寄せられた。

 「ネット販売企業がテレビCM」8位。スタートトゥデイをはじめ、昨今はネット販売企業のCMは珍しくない。背景にはCMの影響力低下による広告料値下げという要因もあるようで、「通販企業にもCMを積極展開できる値ごろ感が今後さらに期待できる」との声も聞かれた。

 今年の大きなトピックスといえば、同ポイントで8位に入った「猛暑」だろう。9月に入ってもまったく衰えることのない暑さが影響し、カタログ通販各社の秋冬商戦は苦戦を強いられた。ただ、こうした気候の思わぬ変動は毎年起きる可能性があるため、手をこまぬいているわけにはいかない。「温暖化に伴い、猛暑や暖冬など気候変動に伴う消費動向が著しく変化している。それらに合わせた従来にない柔軟な予測・対応・新提案などが求められる」とのコメントもあった。

 10位には「ヤフーが『グーグル検索』採用」が入った。導線としての検索エンジンの重要性は言うまでもないが、両社の提携で「SEOテクニックが大きく変わり、業界内でもその対応力によって売り上げ勢力図が変わる」可能性もある。
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