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テンシャルが東証グロース市場に上場、リカバリーウェアで急成長

2025年 3月 6日 12:00

 リカバリーウェアブランド「バクネ」を手がけるTENTIAL(テンシャル)は2月28日、東京証券取引所グロース市場に上場した。初値は公開価格の2000円を30%上回る2600円で、終値は2751円だった。都内で会見した中西裕太郎CEO(=写真)は「上場することで『バクネ』はさらに信用力が増し、もっと高く羽ばたける」とした。調達資金は広告宣伝費や商品開発人材の採用、研究開発などに充てる。

 
 テンシャルは急成長するリカバリー市場において、科学的根拠と最新技術に基づくコンディショニング製品としてブランドを確立してきた。SLEEP、WORK、FOOTの3カテゴリーで商品を開発。中でも〝疲労回復パジャマ〟と銘打って、睡眠に特化したリカバリーウェアの「バクネ」シリーズは売り上げの8割を占める戦略商品だ。

 販売チャネルはECが全体の77.9%を占めるが、「実物を確認できない」「試着ができない」という弱点を補完する場として実店舗を拡大中で、主要都市に9店舗を構える。

 顧客は男女問わず、高・中所得者層の30代~50代のミドルからシニア世代がコアユーザーという。

 売上高は2024年1月期が前年比165.9%増の54億900万円で、25年1月期は同121.0%増の119億5500万円を計画。利益面も23年1月期に黒字化して以降、安定した利益体質を維持し、前期の営業利益は4億7300万円、今期は13億2100万円を見込む。

 今後の成長戦略としては、短期的にはマスプロモーションで新規とリピーターを獲得するとともに、新商品の開発で購入単価のアップにつなげる。

 同社ではテレビCMの放映などでブランド認知率が18%台に上昇したものの、国内主要ブランドと同水準の認知率60%を目指してコンディショニング領域での第一想起を獲得したい考え。

 また、睡眠ニーズの拡大を受けて戦略的に「バクネ」に注力しているが、機能性掛け布団やワークウェア、リカバリーサンダルなど、「バクネ」のブランド価値がもたらす他の商品群への好影響にも期待しており、引き続きデータドリブンな再現性のある商品開発を推進する方針で、そのためにも、商品開発人材の採用や研究開発への投資を強化する。

 中長期的には海外展開による成長を目指す考えで、昨年夏には中国の上海高島屋でポップアップストアを開催した。また、昨年5月に導入した会員プログラムなどで顧客のロイヤル化を図る。
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