
コンタクトレンズのECを行うパレンテは、業績が堅調に推移する。市場ニーズを捉え、コンタクト業界ではいち早くECを開始。2024年6月期の売上高は、328億円と最大手に成長した。今期は、約7%増の350億円を見込む。吉田忠史社長に、今後の成長戦略を聞いた。
――08年にECを始めた。
「当時、コンタクトレンズは店頭購入が中心で市場は飽和していた。一方で、EC化率は、3~5%しかなかった。ECに経営資源を集中したことで成長できた。スマートフォンの普及とともにEC化率が上昇したことも追い風になった」
――EC定着に向け、何に取り組んだ。
「コンタクトのECの浸透は、配送網の構築が大きかった。コンタクトは、各社、同一メーカーから仕入れるケースが多く、差別化を図りにくい。『早く届く』というのは、サイトを選択する重要な要素になる。全国4拠点に配送拠点を持ち、できる限り翌日配送で顧客に安心感を提供した」
――自社通販サイト「レンズアップル」の認知に向けた取り組みは。
「動画コンテンツの普及初期は、YouTubeで『コンタクトレンズ』と検索してもサイトの情報は上がってこなかった。『レンズアップル』を想起させるコンテンツ、コンタクトの適切な利用方法などを情報発信して認知を図っている。ECモールにも積極的に出店し、常に他サイトと価格比較を行って、安価な提供を心掛けている」
――自身もYouTubeに出演している。
「売り手の顔を見せることで、通販利用の不安感を払しょくできるのではないか」
――今後の動画活用の方向性は。
「動画で商品を見つけ、購入できるカスタマージャーニーに注力したい。海外では、動画プラットフォームで、そのまま購入するトレンドが強まっている。日本もいずれそうなる。今のうちから動画プラットフォームで『コンタクトレンズ』と検索したら顧客が当社のコンテンツに辿り着く導線の設計を進めている」
――自社ブランドを13年に開発した。経緯は。
「コンタクトは、海外製が多く、輸入で為替の影響を受けやすい。メーカー側の経営方針で調達が困難になるリスクもある。一方、国内仕入れ品は、基本的に国内販売しかできないルールがある。海外展開を視野に、自社でオペレーションできる事業基盤を築きたかった」
――育成も順調に進んでいる。
「発売当初、プライベートブランドを販売するメーカーはほとんどなかった。他のメーカー品とスペック等は同水準だが、安価な提供で浸透した」
――市場は今後どう動く。
「グローバルの視点では拡大基調にある。一般的に、生活水準や所得向上に応じてメガネからコンタクトの切り替えが進むと言われる。普及率が低い中国やASEAN、インドは成長余地があり、海外展開は必要になる」
――海外展開の戦略は。
「現在はPB品を中心にTmallやジンドンなど中華系プラットフォームで販売している。中期計画では、3年以内に、フィリピン、ベトナム、インドネシアなどASEAN進出を加速させる。ニュージーランドやオーストラリアなどその他の国も検討している」
――国内市場はどう評価しているか。
「少子高齢化の影響で長期的に利用者は減るだろう。ただ、高齢者の利用を見据え、メーカー各社は、遠近両用コンタクトの開発を進めている。各社の商品は『中近が見やすい』『手元が見やすい』など特徴が異なる。これを分かりやすく伝え、ニーズに対応したい。一方で、スマホの普及とともに若年層の近視が増え、利用期間も長くなっている。視力補正する消費者の割合は約2割だが、カラーコンタクトの普及で利用者層、用途の幅も広がっている。カラコン市場のニーズにも対応していきたい」
――今後の目標は。
「28年度で400億円の売り上げを目指す。返品保証やセット購入の利便性を強みにPB品の存在感を高める。適切な利用法を学べる『コンタクトレンズ検定』など、独自の啓発活動も行っており、業界のリーディングカンパニーの地位を確立したい。アイケア関連のサプリメントなど、コンタクト利用者の生活を充実させる商品・サービス領域への進出も視野に入れている」
――08年にECを始めた。
「当時、コンタクトレンズは店頭購入が中心で市場は飽和していた。一方で、EC化率は、3~5%しかなかった。ECに経営資源を集中したことで成長できた。スマートフォンの普及とともにEC化率が上昇したことも追い風になった」
――EC定着に向け、何に取り組んだ。
「コンタクトのECの浸透は、配送網の構築が大きかった。コンタクトは、各社、同一メーカーから仕入れるケースが多く、差別化を図りにくい。『早く届く』というのは、サイトを選択する重要な要素になる。全国4拠点に配送拠点を持ち、できる限り翌日配送で顧客に安心感を提供した」
――自社通販サイト「レンズアップル」の認知に向けた取り組みは。
「動画コンテンツの普及初期は、YouTubeで『コンタクトレンズ』と検索してもサイトの情報は上がってこなかった。『レンズアップル』を想起させるコンテンツ、コンタクトの適切な利用方法などを情報発信して認知を図っている。ECモールにも積極的に出店し、常に他サイトと価格比較を行って、安価な提供を心掛けている」
――自身もYouTubeに出演している。
「売り手の顔を見せることで、通販利用の不安感を払しょくできるのではないか」
――今後の動画活用の方向性は。
「動画で商品を見つけ、購入できるカスタマージャーニーに注力したい。海外では、動画プラットフォームで、そのまま購入するトレンドが強まっている。日本もいずれそうなる。今のうちから動画プラットフォームで『コンタクトレンズ』と検索したら顧客が当社のコンテンツに辿り着く導線の設計を進めている」
――自社ブランドを13年に開発した。経緯は。
「コンタクトは、海外製が多く、輸入で為替の影響を受けやすい。メーカー側の経営方針で調達が困難になるリスクもある。一方、国内仕入れ品は、基本的に国内販売しかできないルールがある。海外展開を視野に、自社でオペレーションできる事業基盤を築きたかった」
――育成も順調に進んでいる。
「発売当初、プライベートブランドを販売するメーカーはほとんどなかった。他のメーカー品とスペック等は同水準だが、安価な提供で浸透した」
――市場は今後どう動く。
「グローバルの視点では拡大基調にある。一般的に、生活水準や所得向上に応じてメガネからコンタクトの切り替えが進むと言われる。普及率が低い中国やASEAN、インドは成長余地があり、海外展開は必要になる」
――海外展開の戦略は。
「現在はPB品を中心にTmallやジンドンなど中華系プラットフォームで販売している。中期計画では、3年以内に、フィリピン、ベトナム、インドネシアなどASEAN進出を加速させる。ニュージーランドやオーストラリアなどその他の国も検討している」
――国内市場はどう評価しているか。
「少子高齢化の影響で長期的に利用者は減るだろう。ただ、高齢者の利用を見据え、メーカー各社は、遠近両用コンタクトの開発を進めている。各社の商品は『中近が見やすい』『手元が見やすい』など特徴が異なる。これを分かりやすく伝え、ニーズに対応したい。一方で、スマホの普及とともに若年層の近視が増え、利用期間も長くなっている。視力補正する消費者の割合は約2割だが、カラーコンタクトの普及で利用者層、用途の幅も広がっている。カラコン市場のニーズにも対応していきたい」
――今後の目標は。
「28年度で400億円の売り上げを目指す。返品保証やセット購入の利便性を強みにPB品の存在感を高める。適切な利用法を学べる『コンタクトレンズ検定』など、独自の啓発活動も行っており、業界のリーディングカンパニーの地位を確立したい。アイケア関連のサプリメントなど、コンタクト利用者の生活を充実させる商品・サービス領域への進出も視野に入れている」