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ユナイテッドアローズ 初のTV通販で手応え、店頭中継やバナー配色等

2010年12月 2日 10:24

UAらしさを追求

セレクトショップ大手のユナイテッドアローズ(UA=本社・東京都渋谷区、重松理社長)が11月中旬から展開し始めたジュピターショップチャンネル(JSC)を通じたテレビ通販が順調のようだ。店頭の臨場感を出すために実店舗から生中継したほか、商品説明や在庫状況を表示するバナーをUAのコーポレートカラーにするなど随所に"UAらしさ"を出したことなどが奏功している。
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同社がテレビ通販を開始するのに当たって重視したのがUAの"トーンとマナー"で、「既存顧客を裏切らない商品、番組作りを心がけた」(田中和安ウィメンズ商品部部長)とする。

 実際に、UAの要望とJSCのノウハウ、販売手法のすり合わせに半年以上をかけ、実店舗からの生中継という話題性だけでなく、両社の"本気度"が伝わる番組とした。

 UAは生中継に先駆け、10月に改装オープンした原宿本店ウィメンズ館(東京都渋谷区)にJSC用のオペレーションルームを設けたほか、店内の電気容量を増やして中継に対応できるようにした。

 一方のJSCも番組ガイドではUA店舗で撮影したトータルスタイリング写真を中心に見開き2ページで掲載したのに加え、テレビ画面で商品情報や在庫数を表示するバナーの色をUAのコーポレートカラーに合わせるという異例の対応に踏み切った。

 当初、UAはテレビ画面に表示される「残りわずか」などの表現を避けたい意向だったが、この点についてはJSCの既存客への利便性を配慮して、従来通りの見せ方になったようだ。

 また、番組に登場するモデルの選定に当たっては、新たにオーディションを実施。販売したアイテム以外にモデルがスタイリングで使用した商品も、ウィメンズ館にある靴や小物などを利用した。

 通常、テレビ通販では分単位の売り上げ効率を求められるが、番組ではUAが制作したテレビCMを放送したり、店頭での買い物をイメージしやすくするため、店内を紹介する場面も設けた。

 商品説明については、「商品の企画意図など、消費者が知りたいことを伝えることに重点を置いた。ほどよく専門用語を使用し、友人などに話すときに自慢できるようなワードや商品情報を伝えた」(渡辺麻衣子ウィメンズプレス)とする。

 この結果、販売したトレンドアイテム15型のうち、11月24日時点で9品番が完売し、売り上げは計画値を25%上回ったという。

 JSCのネット比率は20%程度だが、今回の放送ではネットでの先行販売が好調だったこともあり、ネット比率は30%弱と高かった。また、購入者の半数を30~40代が占めたほか、JSCやUA店舗への問い合わせも多く、両社ともに新客の獲得につながったようだ。


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