ヤマトグループが共同輸配送を本格展開 定期運行、混載で輸送
2025年 1月30日 12:00
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SSTは独自に構築する共同輸配送のオープンプラットフォーム(OP)を活用して標準パレットで荷主企業の荷物を混載して輸送する「SST便」を展開する。ヤマトグループを含む複数の配送事業者で地域間の幹線輸送および荷主からの集荷などを行う域内配送を行う共同輸配送体制を作り、荷物の配送を依頼する荷主企業からの集荷配達の希望日時や場所などの出荷計画や荷姿、荷物量などの情報と同OPに登録する配送事業者の運行範囲や保有する配送車両の車格や積載可能量、運行計画などの情報をマッチングし適切な事業者が配送を担う。当面は常温品のみに対応するが今後は冷蔵品や冷凍品の対応も検討していくという。なお、同OPの基盤システムは富士通と共同で構築した。
SSTは昨年4月からヤマトグループ単独で配送しつつ荷主を限定し、テストを開始しているが、2月1日からは宮城県から福岡県までを結ぶ定時運行の定期便を1日16線便運行、荷主企業の荷物を混載して各地に輸送する。荷主企業は標準パレットスペース単位で利用できる。同日時点では幹線輸送を行うヤマトボックスチャーターやヤマトマルチチャーターなどヤマトグループのみで輸送を担うが、今後は地域の物流事業者の参画を呼び掛けていくほか、トラックだけでなく、JR貨物やフェリーも幹線輸送に組み込み、湯量力を増やす。2026年3月末をめどに1日の運行便を80線便まで拡充する考え。
料金は「1社でトラックを貸し切って荷物を往路も復路も満載している場合は、(SST便は)パレットあたりの料金は割高になるが、例えば、トラックに荷物が半分しか積んでおらず、空きがある状態ではパレットあたりの料金はそれほど高くならない価格帯」(SSTの高野茂幸社長)とし、「大手企業ももちろんだが、1パレット単位で荷物を運ぶことができるため、チャーター便を仕立てるために荷物がたまるまで数日、輸送を待たなければならないような中小の事業者に利用して頂きたい」(同)とする。
なお、SSTでは公益性の高いOPを構築したい考えからヤマトグループだけでなく、物流事業者、荷主企業など様々な事業者から出資を募っていく考えで、OPの基盤システムを開発した富士通は2月1日付でヤマトHDの完全子会社であるSSTに5000万円を出資。出資比率は12.5%となる。高野社長によると出資を打診する企業から引き合いはすでにあり、年度内にはさらに4社程度からの出資受け入れを検討しているという。