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ファンケルが顧客行動をスコア化 体験価値高め、LTV向上図る

2025年 1月23日 12:00

 ファンケルは、ポイント制度を刷新する。購入金額に応じて割引ポイントを付与するこれまでのサービスに加え、顧客のアクションをスコア化してポイント還元率や特典が得られるステージを判定する。割引など「経済的価値の提供」だけでなく、顧客との関係性に着目することで、体験価値を高め、LTV向上を図る。

 アクションに応じたスコアの付与は、アパレル業界が先行していた。健康食品業界でも一部みられるが、化粧品業界における導入はほとんどみられない。

 新サービスでは、商品購入以外に、会社と顧客の接点が増える行動をステージ判定に反映させる。公式アプリの登録(1000スコア)やLINE連携(同)、友達紹介(2000スコア)のほか、くちコミ投稿、定期便登録、置き配登録など9つのアクションを対象にする。容器回収、店舗カウンセリングなど来店を促す行動もスコア化する。

 ステージアップの機会も、年1回から月1回に変える。これまでは年1回の更新のため、「なかなかステージが上がらない」などの声もあった。顧客がいつでもスコアを確認できる機能もつけ、モチベーションを高めることで、関係性を強化していく。

 ステージダウンの更新は、これまでの年1回から変わらない。コスト負担は膨らむが、LTVの向上で収益性が高まるメリットが大きいとみる。

 購入金額に応じて割引ポイントを付与する、これまでのポイント制度は維持する。会員ステージは、アクションのほか、購入金額1円ごとに1スコアがたまる。

 ステージは、スコアに応じて5段階(0~14万9999スコア、ポイント還元率1~8%)があった。誕生日月にステージに応じた割引クーポンや商品がもらえる。

 新制度では、新たに最上位のステージとして「ロイヤル」(15万スコア以上、同9%)を加える。ステージに応じた製品体験や店舗体験の機会のほか、上位2ステージの顧客には、送料無料や限定セール、イベントの招待等の機会を設ける。イベント参加の募集は、これまでステージで区分していなかったが、関係性が深い顧客の育成を図る。

 アクションのスコア化は、アパレル業界で導入が進む。ユナイテッドアローズは、LTVが高まる行動分析から、アプリ登録やLINE連携、メルマガ登録、アンケート回答、くちコミ投稿等をスコア化する。アダストリアが運営する「ドットエスティ」もくちコミ投稿や商品のお気に入り登録等を対象にする。

 健康食品業界では、サントリーウエルネスが23年9月、散歩やフィットネスなど健康行動にポイントを付与するサービスを導入した。
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