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八幡物産が高齢者用プロテインを育成、中国市場の開拓も強化へ

2025年 1月16日 12:00

 八幡物産は、戦略商品としてシニア向けのプロテインを育成するほか、新商品の開発にも力を注ぎ、売り上げの維持・拡大につなげる。

 同社の2024年8月期における通販売上高は前年比15.1%減の42億1700万円、営業損失が5100万円と苦戦した。2ケタ減収の要因としては、新商品の投入が遅れたことが響いた。

 同社はコロナ前に販売開始した「国産プロテオグリカン」が当たった。20年から広告費を投入して売り上げを伸ばしたが、22年頃から新規のレスポンス率が低下した。

 それまでの売れ筋商品は1カ月分で2000円前後のサプリメントが多かったのに対し、プロテオグリカンは4000円強と売り上げへのインパクトがある分、レスポンス率低下による減収幅も大きかった。

 レスポンス率の低下については、人流が活発化して以降、高齢者の消費マインドが変化していることに加え、主力販路のテレビは多チャンネル化の流れが影響している。同社によると、とくに地方では地上波を一日中つけっぱなしという家庭が以前は多かったが、BSやCS放送も見るようになるなど分散化している。

 また、新聞も各メディアの発行部数減が影響し、主力媒体を介した新規のレスポンス率は低下傾向にある。

 新規商材については、高齢者向けのプロテイン「ホップ・ステップ・ジャンプ!」(画像)の販売開始時期が昨年夏にずれ込んだ。

 八幡物産では、膝や目など老化とともに症状が表れやすい部位を対象とした商品を開発したり、リニューアルしたりして売り上げの拡大を図ってきたが、機能性表示食品制度の定着によってこうした部位の症状改善を目的としたサプリが増え、商品をリニューアルしても売り上げは伸びにくい状況にある。

 そこで、次の戦略商品として高齢者向けプロテインを開発したが、ソフトカプセルのサプリとは異なり、プロテインは粉状で溶かして飲むことから味も重要な要素となるため、本格販売までに時間がかかった。

 同社は昨年夏に既存会員向けのカタログに先行投入。〝筋活(キンカツ)〟のワードで訴求したものの年配者には響きにくく、出だしは振るわなかったが、新規向けの新聞広告ではクリエイティブなどを見直して一定の成果が得られたという。

 今期は当該商品の育成を進めるほか、新たな商材の開発も進めており、今春以降の上市を目指している。

 一方、5年ほど前から展開している食品分野については微増で推移している。冬はカニ、夏場はフルーツがメインのDMを既存顧客に年4回程度届けているほか、新聞広告を西日本と中部エリアを中心に展開している。

 とくに鳥取産のカニが売れ筋だが、数に限りがあって全国的には新聞広告が打てないため、足もとでは地元の鳥取だけでなく、島根や岡山や広島などの海産物やフルーツなどの取り扱いを増やしているほか、今後は加工品も含めてリピート購入につながる商品の開発を急ぐ。

 BtoB事業については中国向けが同国の景気減速に伴って数量を落とした。新商品を開発中で上市後、活性化を図りたい考えだ。また、新しい取り組みとして、1月をメドに「天猫国際」での販売を開始する計画で、青汁やタブレット状のブルーベリー、キッズ向けのカルシウムなど5~6アイテムを展開。同国市場の開拓を進める。

 なお、今期(25年8月期)の通販売上高は前年比6.3%減の39億5300万円を計画。今期も売上高は2~3億円程度減少する見込みだが、広告費を若干抑えて利益改善を図るという。
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