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全日空商事、CAとの開発商品が好調 旅で役立つ機能を取り入れる

2025年 1月 9日 12:00

 全日空商事ではANAグループのリソースを有効活用したオリジナル商品の開発を進めている。中でも、今期はANAの客室乗務員(CA)からのアイデアをヒントに商品開発を行ったトラベルグッズなどが堅調に推移。旅の専門家でもあるCAの声を開発に反映させることで、機能性から訴求したアイデア商品として支持を得ることができているようだ。

 同社では、今期、ANAのCAを対象に 、フライトや滞在先などで「こんなアイテムがあったら便利」だと思う内容についてアンケートを実施。そこで得られた800人の有効回答をもとに開発の候補となる商材を決定し、機能やデザインに至るまで、CAの声を反映させた形で商品化していった。

 中でも今上期にヒット商品となったのが、「吊り下げ型オーガナイザー」(画像=税込価格5500円)。旅の供として開発したもので、全4段となっており、衣服、下着、タオルといった用途が異なる荷物を各段に収納したまま圧縮してコンパクトな荷姿にすることができる。また、旅先ではそのままホテルのクローゼットなどに吊り下げて簡易的なシェルフのように使うことも可能。最下段のメッシュ収納部については使用済みの衣類を仕分けて入れることで、そのまま切り離して洗濯ネットとしても使うことができる。

 「過去に、デザインなどの一部でCAと共同開発したことはあったが、一から商品企画に参加してもらったのは今回が初めて。時間はかかったが、その分、多くの反響があった」(同社)とした。当初は女性向けの商品として開発したが、出張などで利用する男性ビジネスマンからの購入も想定以上に見られたという。初回生産分は完売しており、追加生産を行っている。

 そのほかの商品に関しても、CAならではの着眼点を取り入れており、ポーチに関しては、一般的にマジックテープの接着面にストッキングをひっかけて伝線してしまうこともあるが、面ファスナーを使用した特殊な接着方法を採用。これにより伝線を防止する仕組みとしている。

 長旅の経験機会が多いCAならではの目線で、従来では気が付かなったような旅先で生じる不都合を解消する機能を様々な商品で取り入れたことが差別化につながったと見ている。


ワインの企画でリピーター定着

 なお、今上期については全般的にANAのロゴ入りをはじめとしたオリジナル商品の販売が全般的に好調に推移した。特にワインに関しては各売り場でのキャンペーンの組み立てが奏功。まず、自社通販サイトの「A—style」では、今年から毎月20日を「ワインの日」とする特集を行い、割り引き販売などを実施。毎月恒例の企画とすることで、リピーターを定着させることができ、安定して売り上げの山を作ることができた。

 加えて、ANAグループで運営している仮想モール「ANA Mall」の店舗についても、モール内で行っている月初と月末の3日間でのタイムセールに参加。ワインとグルメ商材を集中的にエントリーしたところ、大きく販売を伸ばすことができた。同様に毎月29日に開催されているANAの感謝企画「ANAにキュン!」においても、タイムセールを通じてグルメ・ワインの拡販を行うことができた。

 もともと、機内ワインの人気が高く、金賞受賞ワインや、10本入りのまとめ買いで訴求したセット商品など、ワイン初心者でも買いやすいような提案をサイト内で行うことで販売を伸ばすことができているとした。

 なお、下期については、引き続きオリジナル商品を軸に拡販を図る考えで、2月に1周年を迎える自社ブランドの「ANA FINDS」についてもラインアップ拡大を進めている。
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