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議論がモール運営事業者の責任に及んだのは、同庁食品表示課による健康食品等のネット広告の監視体制に話が及んだ時だ。
楽天の関聡司委員は「出店企業に対する指導は個別に行ってほしい」と要望。これまで食品表示課ではモール運営事業者を通じた指導を行ってきたが、健康増進法(健増法)による違反事由が明確でなく、民間企業同士の指導では限界があるためだ。
これに対し、主婦連合会の河村真紀子委員は「モールを運営して利益を上げているのであれば、責任の一端は運営事業者にもある。クレジットカード会社も同様に加盟店管理に責任を負っている」と指摘。連帯責任の必要性に言及した。関委員は「規約に基づいてモールを運営しており、法律に基づく指導であれば行政サイドが個別に行うべき」と応じ、議論は平行線を辿った。
明確な方向性を結論づけるまで至らなかったため、今後、議論が再燃することになるかは不透明だが、初めてモール運営事業者の責任について議論が及んだ。
健食等に関するネット上の広告表示を巡っては、厚生労働省時代から年1回、「がん」や「糖尿病」「肝炎」などキーワード検索による監視が行われており、消費者庁創設に併せて、同庁食品表示課が引き継いでいる。その後、今年7月に論点整理をまとめた「健康食品の表示に関する検討会」を受けて年4回、継続的に実施する方針に変更。従来、モールへの出店企業に対する指導は、運営事業者にも指導を要請してきたが、実効性の確保の面で課題となっていた。
このほか、ヤフーの別所直哉委員は「出店企業を対象にした広告表示の講習会を行ってほしい」と要望した。
ネット研究会では、海外の決済代行事業者を通じたカード決済を巡るトラブルの解決に向けた議論が争点の一つになっている。今会合においてもサイト上における代行事業者名の表示義務化や登録制の導入などの意見が出されたが、実効性確保の観点から賛否が分かれている。