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松江市、通販が"町おこし"に一役 温泉PRかねた化粧品が好調

2010年11月11日 14:01

 通販が地方自治体の"町おこし"に一役買っている。島根県松江市の観光協会では地元の名泉「玉造温泉」を全国にPRする取り組みを行っているが、協会に加盟する玉造温泉まちづくり街デコ(本社・島根県松江市、新宮正朗代表社員)が温泉水を使った化粧品通販を本格化。好調な売れ行きもあって、徐々にくちコミで温泉の認知が広がっているという。これまで積極的な広告展開は行ってこなかったが、今後は雑誌などへ広告の出稿も検討する。



 
 温泉街で土産物店を営む新宮氏がスキンケアブランド「姫ラボ」を立ち上げ、化粧品通販を本格化させたのが今年7月。通常、化粧品に使われる精製水の代わりに「玉造温泉」の温泉水を使い、石けんと美容クリームの2アイテムをラインアップした。
 
 これまで積極的な広告宣伝は行なってこなかったが、「温泉の認知を全国に広めたいという方向性は一緒」(松江市観光協会玉造温泉支部)として、観光案内のフリーペーパーなどで商品を紹介。「玉造温泉」が出雲風土記にも登場する"薬湯"として知られ、パワースポットとして女性の人気を得てきたことも相乗効果となって徐々に販売数が伸びた。
 
 具体的な売り上げは明らかにしていないが、関係者によると2アイテムとも月平均各1~2万個は出荷しているようだ。好調を受けて今年10月にはピーリングゲルと化粧水も発売。今後は、広告展開の強化も検討するという。
 
 こうした自治体と企業の連携による町おこしを後方支援するのが化粧品の受託製造を行うサティス製薬(本社・埼玉県吉川市、山本智士社長)だ。同社は今年6月、農業や漁業を営む全国の生産者と協力し、生産過程で廃材となった素材などから化粧品原料を開発する「ふるさと元気プロジェクト」を発足。「姫ラボ」は、製品化が実現した初めての商品となった。
 
 観光地を全国にPRする手段は物産展やアンテナショップなど数あるが、地方の一自治体が継続的に展開するのは容易ではない。初期投資が少なく、物流面でメリットのある通販だからこそ生まれた好例といえそうだ。
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