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2006年12月に当時の大丸が立ち上げた「マルコレ」は、キャリア女性を中心に顧客を増やしており、最近では、アパレルやリビングへとカテゴリーを広げている。
今春夏シーズンは、婦人衣料では初めて大手アパレルのOEMによる「マルコレ」オリジナルブランドを開発。カタログを発刊しない時期にネット上でジャストシーズンの商品を投入し、カタログ客をネットに吸い上げる仕掛けを試した。
こうした新しい企画もあってアパレルの売り上げは右肩上がりで、全体の底上げにつながるなど一定の成果を上げている。
しかし、「マルコレ」に占めるコスメの売り上げ比率は、当初の80%程度に対し、足元では約60%まで縮小。コスメ自体の伸び率も鈍化している。
衣料品では服好きのネットユーザーの開拓につながったが、継続客として囲い込むには次々とオリジナル商品を投入する必要があり、利幅の少ないOEMでは限界がある。
一方、主力のコスメはリピート率が高く、安定的な収益を確保している。同社では、カテゴリーの拡大などが主要顧客の混乱を招いているとして再度、経営資源を集中。「コスメに期待している消費者に全力を傾け、120%の満足を得たい」(池田隆広WEB通販推進部マネジャー)とする。
秋冬シーズンからコスメ中心の見せ方を強めているが、抜本的な改革は来年3月から。コスメ以外のカテゴリーは一時的に取りやめ、通販サイトも大幅に刷新して"コスメ通販"の「マルコレ」を前面に出す。
新生「マルコレ」では、取り扱いブランド、品番ともに3倍程度に増やす。ただし、"店頭にはない"という特徴や、バイヤーがセレクトした商品を提案する形は変えない。
このため、現状ではひとつのブランドをフルラインで販売しているケースは少ないが、人気ブランドについては品ぞろえを厚くするほか、新規ブランドの開拓も進める。
また、コスメ分野を拡充し「美肌」を作るための世界観に重点を置く。例えば「インナービューティー」のカテゴリーを新たに設け、サプリメントやドリンク類を扱うなど「美肌」に向けた切り口を複数用意して、他社サイトとの差別化を図る。
ネットユーザーの獲得に向けては、ブログやSNSなどの活用も視野にある。最近ではアフィリエーターを集め、一押し化粧品の特徴や使い勝手を説明してブログに書いてもらい、同社のランディングページに誘導する試みも始めた。今後、コスメへの原点回帰を図ることで主力顧客との結びつきを強めるとともに、ネット顧客をいかに開拓できるか注目される。
(おわり)
《通販 2号 03面