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千趣会 「モバコレ」を完全子会社化、20代女性の開拓に本腰

2010年10月28日 19:25

 千趣会は10月20日、ディーエヌエー(DeNA)との合弁会社でファッションのモバイル通販サイト「モバコレ」を運営するモバコレ(同、中嶋築人社長)の全株式を取得することで合意したと発表した。若者向けファッションのネット販売を強化したい千趣会と、主力の携帯向けゲームや交流サイト事業に経営資源を集中したいDeNAとの思惑が一致したもので、今後「モバコレ」については、千趣会のマーケティングノウハウ等を活用し、展開の拡大を進めることになる。

 モバコレは、千趣会とDeNAと千趣会の合弁で2006年2月に設立。10年3月期の業績は、売上高が24億200万円、営業利益が1億100万円だった。資本金は2億円で、出資比率はDeNA51%(保有株式数4080株)、千趣会49%(同3920株)となっている。千趣会は、11月30日付で「モバコレ」の全株式を取得。取得金額はこれから算定するという。

 今回の千趣会による「モバコレ」買収については、「どちらからと言うわけではなく、両社から(モバコレに)役員を派遣している流れでお互いの話し合いで決まった」という。

 詳細については、これから千趣会とDeNAで検討を進めることになるが、買収完了後も両社の協力関係は続けていく考え。もともと「モバコレ」はDeNAの携帯ゲームサイト「モバゲー」から顧客を誘導するのがひとつのパターンとなっており、送客などの部分で引き続き連携をしていくものと見られる。

 DeNAでは、自前のモバイルネット販売からは撤退するが、仮想モールおよびオークションについては継続。また、主力のソーシャルゲームなどに経営資源を集中させる狙いから、DeNAから「モバコレ」に出向している役員や社員はDeNAに戻る予定だという。

 総合通販各社では、20代女性の開拓に向けた新ブランドの展開などを行っているが、千趣会でも若年層顧客をメーンとする「モバコレ」の買収を足掛かりに20代女性の獲得に本腰を入れるとともに、モバイル通販全体の拡大につなげたい考えのようだ。

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