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東急モールズデベロップメント 人気雑誌で通販連動企画、QRコードでサイト誘導

2010年 9月30日 16:54

 ファッションビル「SHIBUYA109」を運営する東急モールズデベロップメントは、リアル店舗と連動したネット販売で消費者の支持を得ている。10月には昨年、好評だったファッション誌別冊での通販連動企画を拡大し、売り上げアップにつなげる。また、システムの刷新やバックヤード業務の外部委託も視野にネット販売事業の拡大を目指す。

 同社は、講談社の人気ファッション誌「ViVi」の増刊号として10月9日に「SHIBUYA109BOOK」(税込500円)を発刊する。「やっぱり I LOVE〓109」(仮題)をサブタイトルに、リアル店舗への集客を目指した取り組みだが、誌面の一部では運営する通販サイト「SHIBUYA109ネットショップ」との連動企画を展開する。

 昨年、連動ページにQRコードを掲載してモバイル通販サイトへの誘導を図ったところ、通常月よりもアクセス数、売上高ともに20~30%増えた。このため、今回は連動企画を強化して、「昨年の倍の売り上げは確保したい」(松田太郎109ネット部部長)とする。

 具体的には、前回は22ページ分の誌面を使ってアパレル商材230型を提案したが、今回は30ページ400型に拡大する。

 体裁も前回の誌面一体型を改め、ブックインブックで展開。ブックインブックは3万部増刷りして109館内に設置するほか、通販サイトで買い物をした消費者の商品に同梱して届けるという。

 同ファッションブックは1~2カ月後に中国での販売も予定しているが、中国版ではネット販売に対応していないため、ブックインブックは付かない。ただ、同国ではマルキュー系ブランドの人気が高まっていることから、今後は海外向けネット販売への対応も検討する。

 109のネット販売は高校生や20代前半の若者を顧客とするため「商品の鮮度が命」(同)としており、女性物だけで毎週400型の商品を更新、1カ月強ですべての商品が入れ替わる早さという。

 商品の鮮度や実店舗のスタッフによるコーディネート提案など、店頭の臨場感を追求した取り組みにより、10年3月期のネット販売売上高は前年比2桁増の10億円強で、今期も2桁増を計画する。

 15年頃をめどに20億円を目標としているが、バックヤードの作業量も増えており、システムの刷新と合わせて写真撮影・物流など外部への業務委託範囲の拡大が前提となりそう。


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