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郵便事業会社は9月11日、子会社のJPエクスプレス(JPEX)が10月1日に予定していた「ゆうパック」と「ペリカン便」の統合を見送ると発表した。佐藤勉総務大臣が宅配便事業統合を認可しない意向を示していたことを受けたもの。JPEXは10月1日以降も、日本通運から移管した「ペリカン便」のみで宅配便事業を手掛けることになるが、「ゆうパック」との統合メリットに期待していた通販事業者が他の宅配便事業者に乗り換える可能性も考えられる。
今回の宅配便事業統合見送りは、9月8日の閣議後会見で佐藤総務相は、郵便局窓口の実務研修や宅配便事業の業績が不振だった場合の対応など、予てから再検討を求めていた問題に対する郵便事業会社の回答が具体性に欠けるとし、「現段階で、総務省として認可の判断を下せない」としていた。
郵便事業会社では、既に約7,700人の人員をJPEXに出向させているが、今回の宅配便事業統合見送りに伴い、9月1日付で異動した約7,000人を自社に戻すほか、10月1日付で予定していた約3,500人のJPEXへの異動も凍結する考え。
一方、JPEXでは、今回の宅配便事業統合見送りについて、「事業計画は親会社(郵便事業会社)が提出しているもので、当社から特にお話しすることはない」(経営企画部門)とする。ただ、佐藤総務相の発言があった9月8日に、「通販事業者からの問い合わせが営業部門に寄せられた」(同)など、通販事業者の間でも動揺があったようだ。同社では、現在のところ宅配便事業統合の見送りを理由にした顧客通販事業者の離脱はないとしているが、今後、他の宅配便事業者に乗り換える動きも出てきそうだ。