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ニュースの断層、ポスト投函のメール便返還問題、解決は長期化の様相

2010年 9月 5日 20:50

仲介役国交省、民間同士の協議に委ねる

受け取り拒否などにより、誤って郵便ポストに投函にされるメール便の処理を巡る問題が長期化の様相を呈している。国土交通省が間に入り、解決策を模索してきたが、通販事業者等の荷送人に送り返すというJP(郵便事業会社)と、メール便を届けた事業者に返還すべきとする宅配便事業者との妥協点が見出せないまま1年以上が経過。仲介役の国交省では、メール便のポスト投函防止策等を講じることを両者に要請し、あとは当事者同士の協議に委ねた。近くJP側の主催で宅配便事業者との話し合いが行われる予定だが、メール便の返還方法で両者が納得できる結論を出すのは難しいのが実情。問題の解決までには、まだ時間が掛かりそうだ。

 この問題の発端は、昨年5月にJPが、受け取り拒否等で受取人の消費者がポストに投函したメール便を受取人払いで荷送人に返還すると、宅配便事業者に通知したこと。

 これに対し宅配便事業者側が反発。宅配便と同じ貨物に当たるメール便を所管するは国交省でも、受取人払いによるメール便の返還は、荷送人の配送料金の二重負担となり、「貨物自動車運送事業法」上の問題があるとして処分の対象になる可能性を指摘。仲介役として同省がJPと宅配便事業者の間に入ったという経緯がある。

 その後JPは、無料で荷送人に返還するという案を提示したが、宅配便事業者側は、通販の場合、印刷会社等にメール便によるカタログ等の発送を委託するケースが多く、直接荷送人の通販事業者に送り返すと混乱するとして反発。全国配送網を持つ大手宅配便が中小宅配便事業者の取り扱い分も含め、ポストに投函されたメール便を回収するのに対し、JPは自社に対応できる仕組みがないなどとして、荷送人への直接返還を主張していた。

 今年7月初旬に国交省の仲介で会合が設けられたが、関係者によると、両者の主張は依然平行線のまま。国交省では、メール便のポスト誤投函防止策講じること、消費者がメール便を返還しやすいよう宅配便事業者の連絡先等を入れることを要請し、「あとは民間事業者同士の話し合いで解決するということになった」(宅配便関係者)という。宅配便事業者側としては仲介役の国交省に期待していたが、JPが無償のメール便返還案を出したことで法律上の問題がなくなり、「トーンダウンしてしまった」(同)との見方だ。

 メール便については、通販事業者もカタログの送付等で活用しているが、協議の行方次第では、新たな作業負担が生じる可能性もあり、今後の動向が注目される。


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