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好調ネット販売企業の研究、メンズスタイル、売上高3倍の伸び、"間違いない"衣料品を提案

2010年 9月 5日 20:40

メンズアパレルのネット販売を行う企業の中でも今とりわけ勢いがあるのが、通販サイト「MENZ―STYLE(メンズスタイル)」を運営するメンズスタイル(本社・東京都渋谷区、宇賀神政人社長)。サイトでは約600アイテムの商品を取り扱い、ほとんどが仕入れ商品。主要な顧客層としては学生が4割、26歳までの社会人が4割で、客単価は平均で1万3000円程度と高めだ。
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 「外さないファッション」をうたい文句とし、ターゲットとなる顧客層を完全に絞り込み、価格訴求ではなく他社より割高であっても、"間違いない"商品を提供するというのが同社のスタンスだ。

 例えば、ポロシャツであれば同じ商品でも同業他社の2倍の価格帯を設定する。同社によると「メンズスタイルで買えば安心という保証書を出しているようなもの」(宇賀神社長)とし、「コーディネートを含めた提案で、絶対に格好いいものをお届けするという自信を持っている」(同)。

 同社は2007年3月の設立以後、うなぎ上りに売上高を伸ばしている。初年度5600万円だった売り上げは、次年度に1億9000万円、前期(10年2月期)が5億3000万円と、毎年約3倍の伸長率を示している。現在では月商1億円のペースを維持しており、今期(11年2月期)の売上高は15~21億円を見込んでいる。

 その「商品力」や「提案力」を武器に急成長を遂げる同社。宇賀神社長が「メンズスタイルは私の世界を反映させている」と話すように、商品のセレクトや撮影時のモデルなどをすべて社長自身がこなす。

 「22歳までファッションが好きじゃなかった」と宇賀神社長。当時は1000円以上の洋服を買う気持ちが分からなかったという。「その時のダサかった自分があるから、洋服に興味がない人の気持ちも分かる」(同)。そうした経験をベースに、仕入れをすべて一人でこなし"これを着ればまず間違いない"という安心感を提供する。その結果、顧客のリピート率も高くなるというわけだ。

 設立時は、手頃な価格帯でセンスの良い商品を提案するようなファッション雑誌の立ち上げを考えていたが、起業資金が80万円だったため、紙媒体ではなくネット販売という形態を選択。現在でも単にネットを通じて商品を販売するだけでなく、「モテたい男性を後押しする」というコンセプトでサイトを制作している。今後もデートコースや料理、カフェの紹介といったコンテンツを増やし、サイト内を充実させていく構えだ。


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