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出版社の通販戦略、主婦の友社、コラボ企画で差別化、人気ブランドと商品共同開発

2010年 8月 8日 21:12

ブランドとのコラボレーション企画が好評を博しているのが主婦の友社(本社・東京都千代田区、荻野善之社長)だ。同社では、編集部と人気ブランドの連携によるコラボ商品の開発・販売を雑誌やサイトなどで積極的に展開。「(記事が)面白く、売り上げも上がる」(主婦の友社・渡部伸執行役員デジタルビジネス部部長)人気企画として、同社の通販の"鉄板"の仕掛けとなっている。また、直近では新たな取り組みとして、読者層と合致する雑誌連動のゴルフサイトも開設。ゴルフウェアの販売などをサイト限定で行うもので、今後、様子を見つつ収益を上げられる企画に育てていく考えだ。


 主婦の友社の通販モデルは、自社通販はリスクが大きいとの考えから「委託型」が基本だ。商材ごとにそのジャンルに強い通販企業と組むやり方で、例えば育児やインテリア分野などは主婦の友ダイレクト、ファッション関係はマガシークやスタイライフ、ナッティなどと組んで展開している。

 現在通販を実施している媒体はレギュラーで15誌ほど。それに季刊誌や不定期のムックなど数誌が加わる。育児などは誌上通販も行っているが、ファッション関係は「ネット販売のみ」(同)の通販展開となっている。

 同社の通販の最大の特徴は、雑誌との連動による「コラボ企画」にある。通常、店頭に並ばず読者が限定される通販カタログとのコラボレーションに対してメーカーの反応は鈍い。だが、知名度のある一般の雑誌とのコラボには参加してもらいやすい傾向があるため、そこで自社発行の雑誌を持つ強みが活きてくるわけだ。

 昨年は出産・育児関連雑誌の「コモ」と10~20代女性に人気のブランド「X―girl(エックスガール)」とのコラボを展開。最近では子供服のセレクトショップ「ストンプ・スタンプ」と育児雑誌「ベビモ」とのコラボなどを展開した。編集部とメーカー、主婦の友ダイレクトが3社で共同商品を開発する企画で、「ベビモ」ではオリジナルのトートバッグを開発し、即、品切れになるなど「大反響だった」(主婦の友ダイレクト・柿崎富久専務取締役)という。「サイトが活性化する」(渡部氏)取り組みとして、今後も引き続き力を入れて展開していく方針だ。

 こうしたコアな取り組みと並行して、2010年の4月からはファッション誌「ジゼル」と連動する、ゴルフウェアに特化したサイト「ジゼルゴルフ」を開設した。サイトのみの試みで、「ジゼル」読者のファッション感度の高い女性を対象に、お洒落なゴルフウェアをネット販売で提案する。まだ様子見の段階だが、今後、状況を見つつ強化していく考えだ。


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