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「ゆうパック」統合直後にトラブル発生、5日間で遅配約32万個、通販事業者開拓に影響も

2010年 7月 8日 14:15

郵便事業会社(JP=本社・東京都千代田区、鍋倉眞一社長)は、7月1日から「ペリカン便」を統合して新たなスタートを切った「ゆうパック」で、大規模な遅配が発生した。「ペリカン便」の統合に伴う荷物の急増に、現場レベルの対応が追いつかなかったことが主因で、7月1日から5日までの遅配は約32万個に達したという。既に事態は収束の方向に向っているが、スタートの大きなつまずきは、今後の通販事業者の取り込みに影響する可能性もありそうだ。

JPによると、「ペリカン便」の統合に伴う荷物の取り扱い数量増加に備え、JPエクスプレスからの移管も含め70カ所の拠点を設けて仕分けなどを行っていたが、作業に不慣れであったことから、遅れが発生。JP側でも事前に荷物の増加を想定し、テストも行っていたが、実際の現場では荷物の形状が様々で小さな入力ミスなどが全体に影響し、荷物の配達に半日から2日程度の遅れが生じたとしている。

 ピークは7月2日で、10カ所の拠点で遅延が発生。その後、4日の段階で遅延の発生拠点は2カ所にまで縮小しており、4日の週の前半には正常化する見込みとしている。

 今回の問題は通販事業者にも影響が出ており、今年4月から商品配送をJPの「ゆうパック」に切り替えたニッセンでは、一部地域で商品の配達に遅延が発生。顧客から問い合わせに対し、「適切に対応をしている」(ニッセンホールディングス経営企画室)としており、JPに対しても1日も早い正常化の要望を申し入れたという。

 一方、生鮮品の産直通販などでは、配達遅延で商品がダメになったものもあるようだが、JPでは損害賠償に応じる意向で「規定に照らし合わせて対応していく」(広報)としている。

 JPでは、「ペリカン便」の「ゆうパック」統合に伴い、時間帯指定配達の区分を5区分から6区分に細分化したほか、翌日配達エリアを拡大、ネットでの集配受け付け開始などサービス面を強化。これを足掛かりに、通販事業者の取り込みを進める構えを見せていたが、今回の配達遅延問題で「ゆうパック」のサービスレベルを不安視する声も浮上しており、荷主企業の開拓を進める上でも、痛手となることも考えられる。


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