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同社の物流は本国の米国や欧州のQVCグループと同様、「自前主義」にこだわり、基幹となるWMS(倉庫管理システム)をはじめ、すべてを自社で開発しているのが特徴だ。
日本では、千葉県佐倉市に敷地面積約14万平方メートル、延床面積約9万平方メートルという巨大な商品センターを自前で整備。土地や建屋、自動倉庫などの物流機器に130億円以上を投じて2007年8月に開設した。
同社では毎日、番組で紹介する商品が異なるため、放送当日は大量に出荷する商品も、翌日、翌々日と取扱量は大きく変化していく傾向にある。
商品全体の出荷件数は1日平均3万ピース、最大で7~8万ピースに上る。出荷は、厳選した商品を1日限定の特別価格で紹介するTSV(トゥデイズスペシャルバリュー)商品の割合が高いため、ホームグッズやアパレル商材、ジュエリーなど、その日のTSVの商品カテゴリーによっても商品のロケーションをフレキシブルに変えている。
同社では、冷凍・冷蔵品は産地から直送しているが、それ以外の常温商品は「いま、オンエアしている商品は翌日に出荷する」(同社)のが大前提で、放送分の在庫はオンエア時には全量を保管している必要がある。
そのため、パレット単位で大量の商品を保管するパレット自動倉庫と、オリコンや段ボールで商品を保管するカートン自動倉庫の2種類の自動倉庫を使い分け、その日に出荷する分の商品は朝一番で自動倉庫からピッキング(仕分け)棚に持ち出すという手法をとっている。
そうすることで、日々変化する商品カテゴリーごとの出荷量に手を焼くことなく、対応できるというわけだ。
また、1日の出荷件数の増減にも対応できるよう、すべてのスタッフが出荷業務をトレーニングすることで、「翌日出荷」できる物流品質を堅持しているとする。
同社では、フレキシブルな人員活用や梱包・出荷作業の一部を機械化することで物流業務の生産性が向上。センターのスタッフは開設当初の350人から330人に減った。
また、08年から09年にかけての商品1点当たりの作業コストは17%、物流コスト全体では8%削減したという。(つづく)